恋愛ドラマに見るパターン化、『出会いはサイアク』

「まどろっこしい? 恋愛が?」

「いえ、恋愛が、じゃなくて、恋愛ドラマが、です」

「どうして?」

「うーん、これは、あくまでも私個人の感想なんですけどね?」

 そう前置いて、初海さんは恋愛ドラマが苦手な理由を説明してくれたのよ。


        ***


「私個人の感想としては、恋愛ドラマって、どれも似たりよったりだと思うんです」

「似たりよったり…」

「ええ、そりゃあ、恋愛の舞台が学校だったり会社だったり(職業も様々ですね)、主演2人の関係性だったり、いろいろ異なってはいますけど。でも、基本はほとんど一緒かな、と」

「基本は一緒?」

「そうです。ある恋愛ドラマが全10話あったとして(昔は15話くらいまであったそうですが、今の人はそんなに長く見ていられないようですね)、まず、第1話目で主人公たちが出会いますよね。それからあれこれすったもんだがあって、最終回で恋愛が成就してめでたしめでたし」

「そうね、大抵は」

「ですよね。思うに、だいたいこんな感じですよ」

 そう言って、こんな説明をしてくれた。

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