お肉、なに入れる?

あんころまっくす

1

「一獲千金、パパっとまとまった金が欲しいってなー、確かにゆうたで。そらアタシがゆうたわ」


 レンガか岩か、上下左右余す事なくブロックの敷き詰められた薄暗い通路に獣の叫びが響き渡る。

 頭と肩は熊、胴と脚は虎、何故か豊かな毛並みの大型犬のような長い尾を持つそれはいわゆる合成魔獣キュマイラというやつだった。


「せやけどな? せやけどなーっ!?」


 合成魔獣キュマイラの大きく開いた口に、三メートルにも及ぶ赤銅肌の巨人が体格相応に巨大な大剣を突き込んで捻じ伏せる。

 娘は魔導書のページを捲り悲鳴をあげるように風の属性魔術を叫んだ。


「シルフィック・ビュートォォォォオッ!!」


 強力な真空の鞭が魔獣を打ち据え袈裟懸けに切り裂く。


「ちょっと探検ゆうてからに、未盗掘迷宮探索なんて聞いとらんのやでええええええっ!?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る