第82話 お昼作るけど



「私、心葉のご飯作って来るけど、私達も一緒に食べちゃう?よかったら立川くんの分も作るけど」


 1時間ほど経過して、時刻は正午過ぎ。

 氷見谷は立ち上がり、心葉の飲み終わったペットボトルを持つとそう言った。


「確かにお昼時だな」


「私もお腹減ってきたー」


「食欲はあるのか?千葉」


「結構空いてるわね。気持ち悪いとかはないから食べたい」


「そか、なら良かった」


 体調は順調に回復しているようだ。食欲があるのはいい傾向だ。

 そのまま性欲まで湧かなきゃいいのだが…………


「心葉はおかゆでいいわよね」


 部屋を去り際に、千葉は氷見谷に聞く。


「えぇ~もっとガッツリしたもの食べたぁ~い」


 駄々をこねる千葉に、


「ジャンクフード食べたら悪化するわよ?消化にいいもの食べないと」


「でも食べたいよ~、こうガツっとしたもの」


「なら消化に良くて元気が出るもの作ってあげるから」


「ホント!?」


 目をキラキラされる千葉に、


「だから静かに待ってちょうだい」


 と、氷見谷は頭を撫でる。


「ということで、立川くん。また心葉の面倒見ててもらえるかしら?」


 千葉を撫でながら、俺を見る。


「お前がくるまで見てただろ」


「それもそうね」


「でもいいのか?俺の分まで作ってもらって」


「ええ、私もお腹減ってるし。心葉のを作る材料と同じので使って作ろうかと」


「流石料理上手」


「シェフと呼んでちょうだい」


「ねぇ~早く作ってきてよ~、病人を待たせるのはよくないと思うんだけど~」


 2人で話してると、ベッドでゴロゴロと寝返りを打ちながら千葉は言う。


「はいはい、今日は病人さんの言う事聞いてあげますよ」


 と、部屋のドアを開ける。


「何かあったらキッチンにいるから、呼んでね」


「おう、助かる」


「いってらっしゃい、羽彩」


 千葉は小さく手を振ると、氷見谷は部屋を後にした。

 それにしても、氷見谷の料理。久しぶりだから楽しみだ。


 変な物とか入れてこなきゃいいのだが……………媚薬とか精力剤とか……………





???回 フラグ回収

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