第27話 タトゥーを持つ女2
舞子と連携して、八重の自室に入ると質素な部屋には物が
ほとんど無かった。
「ミニマリストね」
なんかイヤミにも聞こえるので八重の顔を見ると
「ごめんなさい、実家からもってくるものが何も無くて」
犬神が居なくなった事で私物が差し押さえされて
いるのか、目立つような持ち物はまったく無かった。
「謝ることないじゃない、必要なものだけ持ってるとか
格好いいわ」
舞子がフォローを入れるが、彼女の家もかなり金持ちだ
説得力が無い。
「それでどんな入れ墨なの?」
「自分ではよく見えなかったんです」
浴室の鏡で、自分の体に影が見えたと言う。
舞子が「動くなら虫とか動物?」
虫が居るとか怖すぎる
「じゃあ脱いで見てみましょう」
私は女同士なら平気と思っていたが、八重はかなり恥ずかし
がっていた。
なんとか説得をすると肌着だけになる。
舞子と私は彼女の体を見るが、それらしい影はない。
後は下着の中になる。
「脱ぐんですか?」
顔が赤い、私も同級生の体をこんなにじっくりと見る機会は無い
だんだんと恥ずかしくなってきた。
「う・・・ん、しょうがないのよ、霊障があると困るでしょ?
下着を脱がないと」
八重が脱ごうとしたときに舞子が指さす
「玲子、首にトカゲが居る」
「へ?」
舞子が手鏡をもってきて私に手渡すと耳の下を見ろと言う。
横目でなんとか見ると確かに居た。
3cmもない小さな黒いトカゲがいた
叫び出しそうになるのを我慢して、その場に座り込む。
この霊障は「AからBに話をするとBに移動する」
八重が私に話す事で、移動をしていた。
裸の八重を見ても居るわけがない。
私は霊障を封じ込めるのか、消滅させられるのか判断がつかない
神社に住む巫女の美成(みなり)に相談をする事にした
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます