超次元生命体対策組織MWM
「どうやってこの組織を?」
「テレビのCMで」
「広告を打った覚えはないのですが」
面接官は冗談の通じない男だ。立派に輝くスキンヘッドにグラサン、黒い肌に真っ黒なスーツ、全身黒ずくめでいかにも悪の組織って感じのお兄さんだ。
「失礼、ジョークです。気にしないで」
お兄さんは深いため息をした後に懐から銃を取り出しこちらに向けた
「冷やかしならここで死んでもらいます」
「おぉこわい」
「正直に答えてください」
「そちらの組織のボスに誘われたんだ。数年前にね」
そう言うと彼は突然のことに焦り出した
「た、大変申し訳ありません。ただいま本部に連絡します」
お兄さんは小走りで部屋を出て行った。
超次元生命体対策組織、ミラクルワイルドミステリー。
くっそだせえ名前とは裏腹に世界中に展開している世界最大級のオカルト組織だ。
活動内容は超絶生命体の捕獲や討伐、有効活用などだ。
超次元生命体とは…知らん。世の中の人間が気づいていないだけで世界には科学では証明できないバケモンが大量に存在しているらしい。
と、例の男が駆け足で戻ってきた。かなり息を切らしている。どうやら焦っているようだ。
「ボスが今からこちらへいらっしゃいます。少々お待ちください」
「おっけー」
あの男のことだ、きっと数時間待たされることだろう。
「待たせたね。」
「いやいくらなんでも早過ぎだろ!ここに住んでんのか!?」
「たまたまこっちの方に来ててね。まさか君がウチに入ろうとしていたとは…」
「あぁ、うん。最近暇でね。君が元気そうでよかった。」
軽い挨拶を済ませると面接官のお兄さんがおどおどしながら聞く
「ボス、このかたとのご関係などって聞かせてもらえないでしょうか」
「あぁ、そんなに萎縮することはないよ。落ち着いてもらっていい。で、この男との関係だっけか。赤の他人だよ。」
「え?」
「こんな男とは話した覚えもないし顔も見たことない」
「え?じゃあ…」
お兄さんはこちらを見る
「じゃああなたは?」
聞かれた俺はそれは愚問だなとでも言いたげな感じでため息をついて答える。
「暇を持て余したニートだよ。」
--------------------------------------
争奪核心サマ
あなたを超次元生命体対策組織M.W.M新設特殊部隊 Σ-5隊『傘置場』の部隊長に任命します。
--------------------------------
「あの面接官クッソ無能じゃねえか!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます