タリスマン未回収


タリスマン、それに描かれた紋様でどの悪魔と契約したかを明確にする魔法のアイテム、魔導具、ソロモン七十二柱の刻印シジルが有名だ、現代では魔女の秘術の列記とした証拠になる、彼はそれを探していた。


背広姿に眼鏡、気品高く、あらゆる下品とは本来、無縁であるのが伺える老人。


「黒魔術殺人の犯人はタリスマンを凶器としているのです、ですからね、えーと‥‥‥」


神道の神官の服装に布をお面代わりにする者達、それらがその洋館を隅々まで漁る。


「どうでしたか?」


自信満々の名推理が炸裂するように思えた。


「ありませんでした」


だがしかし、違った。


「そうでしたか‥‥‥」


誤認識で始まる捜査だって稀にある。


そして彼はその家の五人にとある霊符を見せる、彼等の前でピカッ!と目の前で光った。


「今の出来事は忘れてください」


そんな事を彼は言って全員撤収した。


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