異世界遺跡巡り~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

第1話 占い

女性が占いを行っていた。

テーブルに置いたカードで未来を占う。


「また占いで大きな動きがあるって出たわ。

 何度も同じ結果が出るのは歴史が動くんじゃないかしら。」


女性はマクニス王国 第3王女。


「また占いですか。それよりも、そろそろ勉強の時間ですよ。」


王女に話を振られた侍女は、占いの結果を聞き流し、これからの予定を告げると

渋々と従って、教師の待つ部屋へと移動した。


侍女はテーブルの上に広げられたカードに目を向ける。

そこには、人と川、そして雲の切れ間から光が差し込むの絵が描かれたカードが並んでいた。


王女の話を何度も聞いてカードが表す意味も覚えていた。


「人によって流れが起き、道が開かれる…ですね。

 一体、どんな道が開かれると言うのでしょうか。」


そう呟きながら、カードをしまっていた。



******


「大丈夫か」


遠くの方から声が聞こえる。


「大丈夫か」


何度も呼ばれて、目を開けると知らない天井…ではなく、男の顔

頭がボーっとする。


周りを見ると石造りの知らない部屋。


「気が付いて良かった。体の方は大丈夫か」


男が心配そうに見ている。


自分の手足を動かしてみると問題無く動くが、何か違和感がある。

手足が異常に小さい

一気に頭が覚め、確認すると7~8歳の子供の体じゃないか。

おまけに俺も男も裸だった。


どういうことだ、一体何が有った、俺は誰だ…

小島 拓、46歳独身、回路技術者、趣味は写真に料理…


記憶はしっかりしている。何故子供の体

一人焦っている俺に男が声をかけてきた。


「話はできるかな。俺は近藤 浩司、大学生だ。」


「俺は児島 拓。ここは何処です。」


「分からない。俺も気が付いたら ここに居て隣に君が倒れていたんで呼びかけていた。ここに来るまでの記憶はあるか?」


確か飲んで帰る途中に暴走したトラックが歩道に突っ込んできて…その後はどうなったんだ?

一人記憶を呼び起こそうと考えていると、近藤が話をしてきた。


「俺はね、暴走トラックが歩道に突っ込んできて、最後の記憶は目の前のトラック…気が付いたら ここに居たんだ。」


「俺も、トラック事故に巻き込まれた記憶があるけど、その後は全く覚えていない」


「もしかして、新宿でトラックが歩道に突っ込んできた?」


「同じだ。しかし病院じゃなさそうだし、いったい何処なんだ?」


「大丈夫、無事に帰れるよ。」


そう言うと、近藤と名乗った男は笑いながら俺の頭をなでてきた。

近藤の大きな手


「なぁ、俺の事はどう見えてる?」


「えっ、普通に小学校3-4年位の男の子に見えるけど?」


首を傾げながら答えてくれた。


「変な事だと分っているけど、俺は46歳のサラリーマン…だった。」


「「・・・」」


俺が何を言っているのか理解出来ないみたいだった。俺だって理解できない。

説明しても納得はしてない様だが、とりあえず受け入れてくれたみたいだ。


「もしかして、あの時 親子を助けようとしたサラリーマン…

 本当だとすると怪しげな薬を投与された副作用とか。」


こいつの発想って・・・

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