ポトフ風の具だくさんスープ
あの子は今日も帰りが遅い。
がしっがしっ。かみかみ。
いぬはお気に入りのぬいぐるみで遊んでいるけど、本当はあの子に遊んでもらう方が好きだ。
今日は根菜を水から煮てある。
にんじん、じゃがいも。コトコトじっくり。
柔らかくなったらウィンナー。それとたまねぎ、キャベツもたっぷり。
キャベツはしっかり茹でれば、芯まで甘くて美味しいから。
コンソメスープで煮込んでやる
いぬが、お鼻をふんふん。
良い匂い、そうだよ、もうすぐあの子が帰ってくるよ。
主食はごはんでもパンでも良い。
あの子が食べたい方にしよう。
今日はちょっぴり遅かった。
おなべの中のじゃがいもは、少し煮崩れたけどご愛嬌。
「ただいまー」
「おかえり」
盛り付けている間に、いぬはあの子に歓迎の儀式。
おもちゃでちょっと遊んでもらう。
湯気が立ち上るスープ皿。
テーブルに運んでいけば、みんなが集う。
こらこら、いぬよ、もうごはんを食べたでしょう。
湯気の向こうのあの子の笑顔。いぬも笑顔。
みんな笑顔で。
「いただきます!」
「召し上がれ」
ほかほか笑顔のポトフもどき。ごろごろ具だくさんのスープ。
金色のスープをすくう銀さじ。
へそ天、いぬはおなかをなでられ。
今日も一日おつかれさま。
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