赤や白、桃色に色づいた、ほってりとした可愛らしい花。


 ある時、一人の青年が急に引っ越すことになりました。

彼の庭には一本のそれは美しい梅の木が植わっていました。

まだ若い木であるにも関わらず、美しい花を毎年つけ、梅の実をつける木でした。


 引っ越しの日、青年が窓を開けると、別れを惜しむように、梅の香りが漂った。

 夏の始まりの、暑い日。


 次の年から、梅は花を咲かすことがなかった。

 新たな入居者は、ずさんな人で、梅のことを気にもしませんでした。


 数十年後。

 ゆったりと梅は弱っていき、ある春の日。


 満開の美しい花を咲かせて、朽ちてしまいました。


【梅】

春の花。バラ科サクラ属。白、ピンク、赤の色がある。

花言葉 高潔、忍耐、忠実etc...

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