南ノ 彗

水仙

 あることろに、少女がいました。

 少女には恋人がいました。


 少女にとって、恋人は全てでした。

 そして、相手にとっても自分はそうであると疑いませんでした。


 ある時、少女は恋人に尋ねました。

 「私の事、どう思ってる?」

 相手は言いました。

 「君は春の花。寒い冬を潜り抜け、上を見上げる素敵な花。それでいて、周りには警戒心があって、毒を持っている。そんな、綺麗な花。」


 【水仙】

 春の花。毒を持つ。原産地のヨーロッパでは希望の花とも呼ばれる。

 花言葉 自惚れ、尊敬、希望etc...


 

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