ヒコーキ雲 10-22
「あ、見て!」
秋晴れの空を見上げながら、きみが言った。
ぼくはきみの顔を一瞥してから、視線の先を見る。
そこには一筋の飛行機雲。
真っ青な空を貫くように、真っ白く伸びていた。
「どこ行くのかなぁ?」
天を仰いだまま呟くきみを見ながら考える。
「未来、かな?」
なんて、キザすぎて言えないけれど。
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