低気圧ガール 10-9


 隣の席のあの子は、雨が降るといつも不機嫌。

 授業中も休み時間も、お弁当の時間だってしかめっ面だ。


 いまも教科書から目を反らし、退屈そうに外を眺めてる。 


 うるんだ瞳。

 ため息の漏れる唇。

 そんな姿を見ていたいから「雨よ、止むな」とぼくは願う。


 密かに思いを寄せる、低気圧ガールを横目で見ながら。

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