いのり 10-3


 星のない夜は、妙に寂しい。


 自分だけが取り残されてしまったような。

 呼吸すら忘れてしまうような。

 シンとした街の静けさが、心を沈ませていく。


 深い闇に飲み込まれてしまいそうな気分だ。


 私は首を振って、目をつぶる。

 そして祈った。


――どうか明日は、寂しくない日でありますように


 そう、小さな声で。

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