琥珀の夜 9-16


 すっかり涼しくなった風を浴びに、外へ出てみた。


 曇り空から星が覗く。

 どこからか、燻ったい、草を燃やすにおいが漂ってくる。


 そして、虫の声すらない静寂。

 騒がしかった夏の夜が嘘みたいで、どこか寂しい。


 そんな空気のなかで目を閉じると、不思議な感覚が。


 まるで、琥珀に閉じこめられたような……。

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