ペトリコール 8-31
いったい何日ぶりの雨だろう。
「降る、降る」と言われて晴れ続きだった空が、ようやく潤んだ。
夏の日差しを遮るような厚い雲。
そこから降り注ぐ、ぬるい雨。
気付けば辺りは土埃のにおいに包まれ、胸が痛くなる。
これは多分、太古の記憶だと思う。
私が大地とひとつだったころの、古くて、懐かしい……。
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