春一番の夜 2-23


 朝から吹き続けていた、強い風が怖かった。

 ベランダの洗濯物を薙ぎ払い、枝を激しく揺らして葉を散らす。


 それが春一番だったと知ったのは、風も止んだ夜のこと。

 僕は静かになった外に出て、空を見る。


 ちかちか瞬く星がうるさい。 


 だけどなんとなくホッとして、温んだ夜の空気を胸いっぱいに吸い込んだ。


 




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