茜色 2-12



 夕方の空を見上げてみると、上空高くの飛行機が茜色に染まっていた。

 視線を移すと、遠くの稜線が燃えている。


「あの世って、あんな感じなのかな……」


 ぼくは同じ色に染まる水にゆっくりと足をつけ、一歩、また一歩。

 そのたび、向こうの世界に近づいていく。


 茜色の。

 一度行ったら戻れない、あの世界に。

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