【第37話】伝説のプリン
僕たちは
「オリスティンよ、それはわしの召使いじゃ。わしが造ったゴーレムなんじゃよ」
「じいちゃん、凄いね! こんな動く人形を造れるなんて!」
「オリスティンも魔法の修行をすれば造れるようになるわい。そんなことより、召使いが運んできた
召使いは、運んできたお皿をテーブル席に座るひとりひとりの前に置いていった。お皿の上にはプルプルと震える黄色の物体が置かれている。
「じいちゃん、これプリンだね」
「そうじゃ。世界中の材料を使ってわしが開発した、伝説のプリンじゃ。ほらほら、食べてみるがよい」
「パパ! これ美味しいよ!」
真っ先に父さんがそう叫んだ次の瞬間、僕の正面に座るアリサが勢いよく吹き出した。そのとき、アリサが口に含んでいたプリンの欠片が僕の顔面に飛び散った。
「だからもう、パパはダメだからあ」
アリサは大笑いを始めた。アリサの口から吹き出されたプリンが顔に付着した僕は、黙り込んだ。
「これ! アリサ! 魔王様の前で、はしたない!」
アリサの叔父であるマルコロが、隣に座って笑い声をあげているアリサの体を揺らしながらたしなめた。アリサは自分が吹き出したプリンの欠片が僕の顔面に飛び散っていることに気がつくと、表情が一変して真顔になった。
「オリスティン、ごめんなさい!」
アリサは僕に謝りながらテーブルに置かれた白い布巾で僕の顔を拭おうとした。しかし、彼女が拭うよりも早く僕の顔面は一瞬にして綺麗になった。
「マルコロよ、良い良い。アリサは楽しい
「じいちゃん、このプリン、美味しいよ!」
「うん! こんなに美味しいプリンは初めて!」
僕やアリサがプリンの美味しさを絶賛しながら叫ぶと、
「ねえ、魔王様。このプリンを『伝説のプリン』と名づけて大陸で売れば、たくさんの人が買ってくれること間違いなしですよ!」
「そうか! よし、このプリンのレシピをアリサに授けるから大陸のみんなにも味わわせておくれ」
アリサの提案に対して
全員がプリンを食べ終わると、
「じいちゃん、これなに?」
僕は青い液体が入ったコップを見つめながら訊ねた。すると、
「オリスティン、それは
「こ、これが『命を与える』と言われる
感激したマルコロはコップを手に取るや否や飲み干してしまった。マルコロに続いてアリサやアレンもコップを手に取ると飲み干した。だけど、僕は
「じいちゃん、僕は
僕の言葉に
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