第二章 契約その2

 ロイドはゴーレムのすぐそばまで行くと、

身体強化をし、左腰に携えてある剣を鞘から抜いた。


 するとゴーレムがロイドに戦闘の意思があると伝わったようで一瞬でロイドに近づき、右の拳が飛んできた。

 

 ロイドは攻撃を右に避け、そのままゴーレムの腕目掛けて剣を上から下へと振り下ろして切断させた。


 しかし、ゴーレムは何事もなかったようにすぐに腕を再生した。

 

 その時ロイドはある違和感を感じた。それはアベル以外に誰かの視線を感じるというものだった。


 辺りを見回すと剣が刺さっていた場所に剣ではなく・・・・・・・


 その少女は木の枝の上で足を組みながら


 見た目は少しロイドより年上そうなな感じで黒髪ロング、瞳の色は綺麗な青だった。


 俺はその少女に気を取られ、ゴーレムの攻撃に気づかず壁まで吹き飛ばされてしまった。


 「ロイド!大丈夫か!?」

 

 と、師匠は心配していたので


 「全然大丈夫ですよ!」


 そう答えた


 そして、少女の方を見てみると凄いこちらを睨んでいた。


 (どうやらそろそろ真面目にやった方が良いようだな)


 俺は師匠に


 「今から真面目に戦うんでもう少し離れておいてください」


 一応忠告しておいた


 師匠が離れたことを確認して、俺は左手の手の平を上に向け巨大な魔法陣を展開し


 最上級炎魔法―炎の流星フレイム・メテオ


 をゴーレムにぶつけた。


 ロイドとアベルはこれで倒したと思ったがそこで見たのはすでに再生を始めていたゴーレムだった。


 (マジか!?これ耐えるのかよ!・・・・しゃあない一発本気の一撃入れますか)


 俺はもう一度師匠に忠告した。でも今回は、防御壁も張るように言った。一応少女にも忠告しといたが無視された。


 「それじゃあ・・・・・殺るか」


 そう言うと、ロイドの雰囲気が変わった。


 ロイドは剣を鞘に戻し歩き始めた。それと同時にゴーレムもロイドの方へ向かってきた。


 そして、ゴーレムの攻撃がロイドに当たる距離まで来た瞬間


 「━━━━━━━━━━━━━」


 ロイドはそう口にすると、鞘から剣を抜き横に振り鞘に戻した


 すると一撃、また一撃と、数え切れないほどの攻撃で、どんどんゴーレムにダメージが入っていき、再生の隙も与えないまま・・・・・


 ロイドはいつもの表情に戻り、アベルを呼んだ。


 二人は合流し、少女いや精霊のもとへと向かった。


 精霊のもとに到着すると


 「・・・・・・今の何よ」


 と、聞かれたので俺は


 「禁忌魔法だけど?」


 「は???????」


 精霊は驚きを隠せていなかったが何とか落ち着きを取り戻し


 「そ、そうだ!あんたの名前を教えなさい!私の名前はクレナ!」


 そう上から目線で俺に言ってきが普通に名乗った


 「俺はロイドだ。よろしく「あ、僕はアベル!」


 なんか変な奴いたけど無視しておこう


 「ロイドとアベルね。それでロイド単刀直入に聞くけどあんた私と契約したいの?」


 と、クレナはいきなり聞いてきたがアベルの答えはもう決まっていた


 「もちろん。その為に来たんだ」


 するとクレナが答えた


 「いい目をしているわ。それに実力もある。いいわ!ロイド私と契約しましょう!」


 「喜んで!」


 こうして俺は精霊と契約することになった。


 「じゃあ早速契約の儀式を始めましょう」


 「お「さっきから僕のこと忘れてない!?」


 良いところで師匠が割って入ってきた。まぁ確かに忘れてたけど


 「・・・・・それで何ですか師匠?」


 「いや、特に何もないけど?」


 (なんなんだ!この人は)


 今度はクレナが


 「ちょっと私のこと忘れてない?」


 「もうお前らめんどくせぇな!!」


 そんなやり取りをしつつ本来の目的を思い出しそれに取り掛かった


 「それじゃあ始めるわよ」


 そう言うとクレナは詠唱を始めた


 ―我の名は剣精霊のクレナ 汝を我が主君と認め 汝も我を認め

共に道を歩んで行き 互いに支え助け合いながら行くことを今ここに誓う―


 詠唱を終えクレナは俺に


 「目を瞑ってちょうだい」


 と、言われるがまま目を閉じた


 その瞬間


 


 「も、もういいわよ///」

 

 そう言われたので俺は目を開けクレナに聞いた


 「なぜキスする必要があるんだ?」


 クレナが顔を真っ赤にしながら言った


 「そ、そんなの知らないわよ///!そういう決まりだから仕方ないでしょ///!」


 「そんなことより!左手の甲を見てみなさい!」


 そう言われたので見てみると、何かがあった。すると師匠が


 「それは、だね。その名の通り契約した証だよ!確かそれは精霊を使ってるときにしか出ないから普段の生活では気にしなくてもいいよ!」


 続けてクレナが


 「私普段擬人化してるけどその時は契約紋出ないから安心してちょうだい」


 「なるほど・・・とりあえずこれからよろしくなクレナ」


 「こちらこそよろしくね!ロイド!」


 ロイドたちは目的を果たしたのでアベルの家へ戻ることにした。


 道中は特に何もなく無事外へ出ることができた。外へ出ると辺りはすっかり暗くなっていた。


 そしてアベルの家へ到着したロイドたちは夕食を食べ、お風呂に入り、就寝した。


 こうしてロイドの大変だった一日が終わりを迎えた。



 


 


 




 


 



 


 


 



 


 


 

 


 

 


 

 



 

 


 

 


 

 

 

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