第16話 予算を確保 ※アーヴァイン王子視点
「あの女は、これほど莫大な資金を無駄にしていたんだなッ!」
手元にある資料で今までの状況について改めて確認した私は、自分の考えが間違っていなかったことを確信した。クリスティーナという女が、これまで無駄にしてきた莫大な資金の詳細が明らかになった。
彼女が行っていた計画を全て中止させた結果、とんでもない金額を確保することが出来た。
彼女が計画した建設をストップさせて、高額で雇っていた者達を解雇し、ドレスや宝石などの無駄な取引を全てキャンセルした。それにより取り戻す事ができた金額は、とんでもなかった。
これだけのお金があれば、多くの民を救うことが出来るはずだ。なのに、この金を全て自分たちのために消費してきた。新たな劇場の建築費、自分たちが楽しむための豪勢な料理、パーティーを盛り上げるためだけの楽団、ドレスや宝石など……本当にくだらないことに浪費し続けていたのだ。
その総額を確認して、私は怒りに震える。予想していたけれど、私が想像していた以上の金額だった。これほどの無駄遣い、絶対に許せなかった。
私なら、もっと有意義に使える。この大切なお金を、有効活用する自信があった。彼女のように、自分の欲を満足させるためだけに使おうとは思わない。彼女のような無駄遣いは絶対にしない。民のため、国の未来のために使うべきだと考えている。
今まで父上は、王でありながらクリスティーナの言葉に従って全てを任せてきた。自分で考えるのが面倒なのだろう。王として情けないとしか言いようがない。だが、彼女は居なくなった。すると今度は、第一王子である私に全て任せると言ってきた。
本当に、王として失格だ。王としての責務を放棄するなんて。だけど、この立場を上手く利用する。王位継承する前から、私が国を治めてやる。今まで無駄にしてきた資金と時間を取り戻すために、私が動く。
とても大変な仕事になるだろう。だけど、民のために出来ることがあるならばやるだけだ!
まずは、確保した予算をどう配分するか決める必要がある。今までの無駄を省き、必要なところに回す。それを決める作業だけで、かなりの時間がかかることは間違いない。だけど、これは私の使命なのだ。必ずやり遂げてみせる!
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