奇譚夜話「パラレルワールド」 【幻想文学】

 突然だが、パラレルワールドというものをご存じだろうか。


 いや、いや。そんな御大層なSF用語を知らなくてもいい。可能性――という言葉なら、まあ誰でも知っているだろう。


 たられば。もしあの時ああしていたら、ああしなかったら――いま自分は


 そんなもしもif

 小難しく考えるまでもなく、一度くらいはふと考えたことがあるのではないだろうか。その時に戻りたいとか、そんな願望が付属しているわけでもなく、ただの暇つぶし、時間つぶしとして。


 さて、なんでそんなことを語り始めたかと言えば、なんてことはない。



 今、私の目の前にはバスから降りてきた私がいる。



 ただそれだけの話だ。

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