58.いがめんち・・・わかんないですよね

青森県の方言『津軽弁』、この言葉は青森県全域で使われている訳では無くて県の中央を通る八甲田連峰を境に日本海側半分が津軽弁、太平洋側半分が南部弁と言う分布になってまして東西で全く言葉が違います。陸奥湾の喉仏の下に有る青森市はちょっと微妙で、まぁまぁ、津軽弁の勢力下に有るのかなと言う感じです。江戸時代には津軽藩と南部藩に分かれていてよく戦をしていましたと言う経緯と八甲田山が中々越えられない、そう言う訳も有ってこんな風な分布になってるんでしょうね。


その大きな特徴として知られているのはそのセンテンスが物凄く短い。極端な話、一音か二音で単語が成り立つものが多いのですよ。例えば『な』と言えば『あなた』の事で『わ』と言えばの『私』と言う意味。で、『な、どさ?』と問われて『わ?わ、ゆさ』と答える。勿論この二人の間ではちゃんと会話が成り立っています。『あんた、どこ行くの?』『ああ、私は銭湯へ』って言う会話がね。


あと、やたらと濁点が付く。『かきくけこ』にはほぼ全て濁点が付きますよ、『柿』は『かぎ』でも『牡蠣』は『かき』なんですよね、なんか不思議です。その影響なんでしょうか、鼻濁音が奇麗なんですよね。首都圏で使われてる標準語だと鼻濁音って昔は使われてましたが最近はあんまり意識されてない様で、津軽弁並みに濁ってますよね、私が若い頃にはちゃんと鼻濁ってたんですがねぇ・・・


で、この津軽弁並みに狭い範囲ではメジャーな食べ物に『いがめんち』って言うのが有るんですよ。メンチと言う名前は付いてますが肉料理では無くどちらかと言うと魚料理で作り方はいたってシンプル。烏賊いかのゲソを包丁でたたき、人参やたまねぎ、キャベツ等々季節の野菜と共に小麦粉を混ぜ、塩コショウなど調味料で味を調えたらあとは油で揚げるか焼く。子供の頃からこれ好きだったんですよ。香ばしくて食感が独特なんですよね。噛むと叩いた烏賊がほろほろっとほどけてキャベツの旨みと混ざり合って何とも言えない旨味が有って。私の場合はこれに中農ソースをかけて頂いてたんですが、これが有れがご飯一杯食べられたなぁ。


近所の私が住んでる街のお隣『川越』には『川越メンチ』って言うのが有るらしいですがネットで検索してみると大きい事は大きいけど、なんか普通のメンチカツみたいで美味しそうでは有りますがいがめんちとは全く違う食べ物でって、そうですよね、似てたら逆にどこにそんな接点が有るんだってその辺に疑問を感じてしまいますけどね。


十年単位で食べてないんですよ、いがめんち。お肉じゃなくてシーフードのメンチカツって魅力的だと思いません?近所で手に入らないかな、東北フェアとかやっててもこれ売ってないんですよね。帰省するかしつこくフェア巡りをするか、それとも飯田橋の近くの青森県のアンテナショップに行ってみるか・・・秋葉原に行くついでに寄って寄れなくはないな。


よし、行ってみるか。では、へばな~~~。

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