44.私の贅沢、叉焼麺
ラーメンと言えば世界に誇る日本食として発展を続ける食べ物ですね。醤油に味噌に豚骨に。最近は坦々、牛骨、カレー、濃厚煮干し、等々など新しいバリエーションも増えつつあります。厳密にラーメンに分類する事は出来ないんですが私の故郷青森県の黒石市では『つゆ焼そば』って言う焼きそばを蕎麦つゆに入れて食べるって言う変わり種も有るんですよ。
ラーメンと言う柔軟な発想が出来る基礎を基にいろんなお味が広がりつつあるのは良い事だとは思うんですが私が基本的に好みなのは伝統的な東京の『中華そば』煮干しや鰹節、豚や鶏で取ったお出汁がベースのすっきりさっぱりなお醤油風味。それに極細縮れで加水率が低めで小麦感たっぷりの麺を合わせるのが私の理想です。
そして、もう一つ希望を言えば脂分多めの豚バラ叉焼がたっぷりと乗ってる事。これ、これなんですよ。叉焼はお箸でほろほろとろけてしまう様な食感の奴じゃなくて噛むと脂がじゅわんと蕩けてお肉の味がしっかりしてる逞しくて頼り甲斐の有る奴が素敵だと思います。そこまで揃ったら自動的に欲するのは白いご飯。
あったかくてザクザクした脂の食感とラーメンのスープが絡んだ叉焼をおかずに食べるご飯のなんと美味しい事さ。贅沢を言えばご飯は出来ればササニシキがいいなぁ。コシヒカリの様にもっちりしっとりで甘めの食感も捨てがたい事は捨てがたいんですが汁物に合わせるなら少しさらさらとしてて口当たりの軽いお米が良いんじゃないかって私は思うのですよ。叉焼の脂を軽くしてくれるし口の中をさっぱりとさせてくれるし、この組み合わせが良いんじゃないかなって思うのですよ。
叉焼麺はラーメンと言う食べ物のくくりの中ではある意味高級品と言えますよね。普通のお醤油ラーメンの価格帯はだいたい650円~900円くらいの間に収まるんじゃないかなって思うんですが、叉焼麺となると1000円超える事は珍しくないですものね。頼んだ時の周りのお客に様に対する優越感と言いますか、私は特別なのよなんて言う変な驕りを感じると共に自己満足感に浸ったりなんかしてしまいます。
こんなこと書くと優蘭はちいせぇ奴だって思われるかもしれませんがそれは事実なので否定したりは致しません、私の自尊心は叉焼麺で満たされてしまうのです。それを恥とも思いませんし世間の妥当な評価としてあえて受け入れたいと思ってもいます。無理矢理自分を大きく見せる必要なんてないですものね。
叉焼麺、私の舌と心を満足させてくれる大好きな食べ物はこれからも支え続けてくれるでしょう。小さいながらもこの世に生きて行く上で私のつっかえ棒になっててくれるのは叉焼麺なのかもしれません。
……あ、食べたくなってきた。
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