35.カップ麺に泣く

安くてお手軽で、しかも美味しくてかなりお腹いっぱいになる物。そう、それはカップ麺。ここ最近、縦型ビッグサイズと丼型の少し大きめのものが主流になって、一個食べれば十分満足できる量を提供してくれる様になりましたね、インスタント大好きな私にとって嬉しくて力強い味方になってくれる物の一つです。


……が、ですよ。


皆様ご存じの通りで、ウクライナへのロシア進行を皮切りにエネルギー価格の高騰、物流の停滞、輸入小麦や飼料の高騰、追い打ちをかける鳥インフルエンザの蔓延、など等々々、複雑な要因が絡み合って物価は急上昇で電気代なんかは毎月の請求明細を見る度になんじゃこらなんて目が点になることも屡々しばしばで、勿論カップ麺の価格もこの煽りをもろに食らって大幅値上げが進んでおりますね。


1971年9月18日、清食品が発売開始した『カップヌードル』の当時の販売価格は丁度100円でした。当時、消費税なんて言う物無かったので100円玉一有れば購入する事が出来ましたね。ただ、袋麺は1食約25円程度、マクドナルドの1号店が東京・銀座に上陸したのが1971年7月20日でハンバーガー1個の値段が80円だったのでカップ麺はそれ程リーズナブルで無い価格設定だったせいか、CMをかなり熱心に打ったにもかかわらずあんまり芳しい出発ではなかった様です。


ところが、1972年2月19日に発生した所謂『あさま山荘事件』で山荘を取り囲む機動隊にあったかい食事をと言う事でカップヌードルが配られそれが全国放送されたのを皮切りに爆発的に売れ始めて、そのあたりからカップ麺と言うのが認知される様になったみたいです。


何しろニュースの視聴率が72%を記録したと言いますから、情報の伝達媒体の主軸を担っていたテレビで放送されれば話題になるのも頷けますよね。日清食品様のホームページに記載されている表現によりますと『火が付いた様に売れ始め生産が追い付かなくなった』です。


そして2023年5月現在のカップヌードルの値段はレギュラーサイズで税込み282.48円。勿論物価が全く違うので単純に比較するのは大間違いではあるんですが、発売当時のなんと2.8倍以上になっている訳です。ちなみにこの値段は他のメーカー様も大体横並びで設定されている様ですね。同じような物だから物流や材料の輸入ルートがみんなおんなじと言う事を言い現わしておるのでしょうか、そう言うの、危ない様な気がしますよね。


中学高校時時代、夏休みに吹奏楽部の練習で学校行って、その昼休みに超ちょい買って食べていたカップヌードル。学生のお小遣いでも意外と簡単に購入できたカップ麺、でも今はなんだか高級品の値段の域に突入している気がしなくもないですね。今の中高生のお小遣い事情が良く分からないんですが。お昼に毎日282円って言うのは結構痛いんじゃないかしら?高校生になればバイトも出来るかもしれませんが中学生じゃ小遣い以外の収入源はあんまり考えられないですものね。


勿論、高級路線で意識的に500円位の価格設定をしている物も見られますが、リーズナブルでお手軽で美味しいカップ麺の復活を、心からお待ちしております。

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