午後一時 エナジードリンク
振り絞る力もないのに
体のなかから削り出した
命を溶かして燃料にする
エナジードリンク
それは家財道具を燃やして暖を取り
少しずつ暮らしが荒れてゆき
そこまでしてでも生きることの
意味を考えずに飲み干すこと
駅前の一等地を占拠していた
ゴミ屋敷の撤去が始まった
きっとこの世界への抵抗だったのだ
体の内部を他人に削られまいと
暮らしを燃やされまいとする
巨大な家財道具の長城だったのだ
その前を 足早に
エナジードリンクを飲み干しながら
過ぎる 振り返らないように
余命を宣告されずに
身辺整理をしていることに
気付かないでいる
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます