偽物天下ー身体交換 目が覚めたら俺の体は織田信長でした。
ねこのうえのいぬ
『桶狭間の戦い編』
第1話 謎の身体交換
2022年の8月、夏休み真っただ中俺は知り合いの紹介で体を交換できる身体交換屋というものがあるのを知った。
初めは絶対嘘だと思い込んだ。だが、面白そうだと思い一回身体交換屋に行ってしまった。
今思えばこれが悪夢の始まりだったのだろう・・・
そして俺は交換屋に行き、店員に話しかけた。
「すいませーん、ここに新しく『身体交換屋』という店ができたと聞いたんですがここが身体交換屋で合っていますか?」
「はい!いらっしゃいませ!ここが『身体交換屋』でございます。早速ですが身体交換いたしましょうか?」
「おぉ、できるんですか?お値段は?」
「もちろん!無料でございますよ!ではもし交換をやるのでしたらお名前を教えてください」
「やります!」
(こんな体を交換するなんて絶対できるわけないでしょ(笑)まぁ試しに無料だからやってみるだけやるか。)
「ではお名前をお願いします。」
「えーと名前は土岐とき慶一郎けいいちろうです!」
「土岐様で。承知いたしました。土岐か・・・まさかな(笑)」
「どうしました?」
「いえ、なんでもありません。では早速交換をしましょうか」
「はい・・・」
(できるわけないから安心しろ!さ、流石に俺の体が交換されるわけないよな・・・)
「ではあそこの手術台のようなところに仰向けになってください」
「はい」
「では今から『身体交換』を行う!!」
この瞬間、俺は意識を失った。最後に少しだけ寺がみえたのは覚えている。なんだったのだろうあの寺は・・・どこかで見たことがあるんだよなぁ。
その後・・・俺は・・・『織田信長と体が交換』されてしまった。
今は西暦、1560年、和暦、永禄3年だ!
そう、歴史が好きな人にはわかるだろうが、『桶狭間の戦い』が起こる年だ・・・
『桶狭間の戦い』とは1560年、5月今川義元が織田家が支配する尾張に侵攻した戦だ。
だが、結果は今川義元が余裕を持ち少し休憩をしていた時に織田信長が奇襲を仕掛け、織田家が勝利し、
『織田信長』の名前が各地に広まった戦の事だ。
では今何月なのか気になるでしょう・・・答えは4月です・・・ そう、4月は桶狭間の戦い発生の1ヵ月前、まさか本当に身体が交換されるとは・・・まだ誰にも身体を交換して本当の織田信長じゃないという事は言っていない。
それと本物の織田信長がどこに行ったのかもわからないし、どうやって現代に戻るかもわからない。
あの交換をした時の店員は何者だったのか。なぜこちらに来るときに寺がみえたのか・・・
『謎が多い』でも今はそんな事にかまっている場合じゃない。まずは桶狭間の戦いで現実通り勝つ方法をみつけなくては・・・
歴史の教科書では織田信長は今川義元が休んでいるときに奇襲と書いてあるが、本当かどうかもわからない・・・
この一ヵ月でやれることは・・・
徳川家康を今のうちに味方に引き入れることはどうだろうか。
将来的には同盟を結ぶも、この時はまだあまり深い関係ではなかったはず。
今のうちに組んどけば後々楽になる。
今から柴田勝家、森可成もりよしなり、池田恒興いけだつねおきを呼ぼう!
~30分後~
何気にこっちに来てから人としっかりと話すの初めてだから緊張するな・・・
「殿!急用との事でしたが何かありましたか?また今川の件ですか?」
お!この人が柴田勝家か・・・またってことは僕が来る前も今川の話がされていたのか。
「良い策が思いついた。」
「何でございましょう?」
「徳川、いやっ松平元康と同盟を組むことはできないだろうか?」
危なっっ!!!この時はまだ松平だった。。。
「うーむ・・・それは難しいと思われますが・・・松平は今川とつながりが深いですし・・・そう易々とは。」
「私も柴田殿と同意見でございます。」
「なら今川と全面戦争をするのはどうだ?」
史実では織田は今川に勝つ。史実通りに進めれば勝てる!
「なっ!?殿!ここで戦をしても勝利するなどありえませぬ。」
だが、このまま史実通り、またはそれ以上の事をしていれば勝てるんだ・・・
もう仕方ない。ここは・・・
「このわしの策に従わないとはな。お主はもうこの家には必要ない。今すぐに出てけ!!!」
「なっ!殿・・・今川と戦するのはまだわかりました。ですが、松平を入れるのは悪影響を及ぼす可能性が高うございます。やはり松平は今川とつながりが強すぎます。しかも今誘ったところでもう同盟を組むなど不可能かと。」
そうなのか。やはり家康は駄目か・・・ではなら誰がいる。このままの戦力で勝てるのだろうか。僕は本物の織田信長ではない。本物の織田信長のように特別なカリスマ性なども持っていないんだ。
『では明智をわが家の家臣として迎え入れたらどうだろうか?』
「これは!帰蝶様!」
なに!?この美人が信長の嫁の帰蝶!?てことは僕の嫁!?
「明智ですか・・・確かに聞いたことがあります。美濃の斎藤道三様に仕え様々な策を打ち出し、斎藤義龍様をあと一歩のところまで追い詰めたことがあると。どうですか?殿」
「明智はならん。」
だって将来裏切るから絶対に家臣にしてはならない・・・
「信長様、明智十兵衛は私のいとこで信頼のできる人物です。私の父道三も相当な信頼を置いていました。絶対に家臣にするべきです。」
「いやならん。」
「どうしてですか!?一回会ってみては?」
「そうですよ!殿!一回でも」
いや、裏切ってしまうから・・・頼むから、、、諦めてくれ
「失礼します!明智と名乗るものが来ています。お通ししてもよろしいでしょうか?」
なに!?なんで?
「良いぞ!」
って帰蝶!?勝手に言うなよ!!!
「え?」
「失礼します。明智十兵衛と申します。」
「あっあぁ」
(いやなんて答えればいいかわからん)
「この度は帰蝶様から呼ばれここに来ました。いきなりですが、どうかこの私を織田家の家臣としてくれませんか。」
感じのいいお兄さんみたいな感じだな・・・ここでダメだとも言い切れない。
でももし家臣にしてしまったら『僕が殺される』・・・
その前に俺が明智光秀を殺せばいいのか!そうだ!そうすれば家臣にしても問題ない。
「良いぞ!」
「ありがたき幸せ。早速今川を討つ策を考えてきます!では!」
「殿!やはり働き者のようで良いじゃありませんか。」
「柴田!まぁそうだな。」
「森はどう思うか?」
「明智殿には何か今日の殿と似たものを感じます。」
「ってなんだよ」
ともあれあとは明智をどこかで殺すだけ!今川討伐頑張るぞ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます