機械仕掛けのコウノトリ 21
「今なら、お二人のDNAをお調べして相性の良いギフトをお調べすることができますがいかがしますか?」
彼女たちはこの遺伝子操作や才能投与を『ギフト』と呼んでいた。
それは妊婦が食事に気を使うことと同じように、胎教をするように。親が子供のためにしてあげる教育と同じなのだと言う。
超自然で起こる命の誕生という奇跡に人工的な介入をするという事実は、やはり、私たちにとっては禁忌を犯す後ろめたさを助長する。
しかし、親が子供のために送れる「贈り物」であるという認識は禁忌の黒い塊を湯に浸して汚れを落とし、隠れた綺麗な真珠を取り出すように美しく、それがまるで親であるならば、当然であるようにさえ思わせる。
「せっかくだから、見てもらっても良いんじゃないか?」
夫は私の顔をしっかりと見た。笑顔の瞳は閉じられて、柔らかく目尻が下がっている。
「そうね…せっかくだしやってもらいましょう」
私がそう言うと相田さんは契約書を作成するような個人ブースを案内し、私たちを椅子に座らせる。
そして、口の中を綿棒で擦り、付着物をそれぞれケースの中に入れると席を立った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます