第36話 アジトを強襲したら小麦粉?が見つかった
宿屋で夕食を取り、ベランダで妹と夜空を眺めていると、屋上に一人の少女が降り立つ。
その
「お待たせしました~」
「いえいえ、こんばんは。エイミーさん」
「うふふ♪ ホロ様と一緒にミッションをこなせるなんて、夢みたいですわ~」
「そ、そうですか…………」
「これから相手のところに行きますから、ぜひこれを――――」
「いらんわ!」
真っ黒タイツを渡そうとするエイミーさんをすぐに制止する。
あんな恥ずかしい格好なんて出来るか!
「でもバレたら色々狙われますわよ?」
「…………」
「それにエリー様も行くのでしょう?」
「へ? 私も行くの?」
「まあ、僕の隣にいた方が安全だからね。エリーを一人には出来ないかな?」
「はい。エリー様の分も持って来ましたよ」
ちゃっかり妹にもタイツを渡す。
ちょっとだけ見てみたい感はあるな……。
エイミーさんの策略にかかり、僕と妹は【ライトニングの正装】を着る事になった。
思ったよりピッタリ合うタイツだが、締め付けが強い。
締め付けが強いのに、不思議と着心地は抜群に良いのは不思議な感覚だ。
それと締め付けが強いという事は、やはり出るモノは出るって事だな。
視線を下に向けて、上に戻す。
はぁ…………。
着替えてベランダで待っていると、黒いタイツ姿の二人が部屋から出て来た。
大きい方がエイミーさんで、小さい方が妹だな。
それにしても妹のモノは慎ましいね。
ベシッ!
「妹よ。とくに何も言っていないが……」
「変な事思ったでしょう!」
「…………」
ベシッ!
◇
現在僕達はエイミーさんを先頭に一緒に走っている。
僕はともかく、妹には追いつくのが大変なはずだ。
でもそこで僕の召喚獣である風の精霊シルフィくんの出番である。
シルフィくんには【風陣連係】という特殊スキルがあり、シルフィの周囲に特殊な陣が張られ、その上に乗った人達が同じ速度で走れるという不思議なスキルだ。
最初はこんなスキル何に使えるのかと思ったけど、今回のように一人だけステータスが低くて追いつけない時はとても便利だね。
僕達を繋ぐ淡い緑光の紐が繋がっており、不思議につなっている感覚になっている。
「エリー、疲れてない?」
「うん! なんかとても不思議な感じだけど、全然大丈夫だよ!」
エイミーさんも遠慮してゆっくり走るのもないし、本当に素晴らしいスキルだ。
それに足音も聞こえなくなるので、こういう隠密行動時は便利なのかな?
街に続いている家々の屋根を超えながら、エイミーさんは街のはずれに向かった。
暫く走った先に、大きな倉庫のような場所に着く。
「ホロ様。あそこが【デモンシーズン】が隠れていると思われる基地ですわ」
「分かりました。潜入出来る召喚獣を送りますね」
「あら、それは助かりますわ」
軍団召喚でネズミワールドを召喚。
このネズミワールドに【超強化】をかけてみる。
本来のネズミのサイズより3倍
でも速度は元と変わらないので、結果的に速度も3倍になっている事になっている。
小さくなり、さらに数も3倍増えたネズミ達が倉庫の中に入って行く。
今まで身体では通れなかった穴にも入る事が出来るので、倉庫内のあわゆる場所に入って行く。
「倉庫内には食料ばかり置いてありますね。ただ、そこから奥にある隠れ階段から地下への道があって、そこから洞窟のような場所になっていて、道を更に進めると――――――あった」
「赤いマントとフードを被っていれば【デモンシーズン】で違いないですわ」
「ええ。40人ほどいるけど、全員が赤いマントとフードを被っていますね」
「全員捕まえたいですわ。ですが【デモンシーズン】は高い戦闘力を有していて、中でもマントに悪魔の模様が描かれている人は幹部クラスでとても強いですわ」
「ん~悪魔の模様…………いますね。二人」
「二人ですか…………私でも一人捕まえられるかどうか…………」
指示を送っている幹部が一人、もう一人は静かに飲み物を飲んでいるが、見える腕から女性に見える。
その時。
視界に鋭い刃物が見え、視界が消える。
次々視界が消えていく。
「バレましたね」
「行きましょう」
「ええ」
【風陣連係】を解除したエイミーさんが倉庫に走って行く。
あまりの速さに一瞬驚いてしまったが、すぐに召喚獣達を召喚して彼女に追いつかせ、急いでウンディちゃんも付かせる。
エイミーさんに補助魔法を掛けてあげると、何故か知っていたかのようにすぐに動きが慣れる。
それだけでエイミーさんの能力の高さを伺える。
妹にはシルフィくん、自分にはグノーくんを守りに付けて、サラマくんを先頭に僕達も進んでいく。
倉庫の入口には既にエイミーさんにやられて気絶している見張りが倒れていて、扉は召喚獣によって突破されていた。
食料だと思っていた小麦袋の中身が一つ半分斬られており、中身が床に落ちている。
「小麦粉…………ではないか」
二種類の白い粉が入っていて、一つは小麦粉なのは間違いない。
ただ、その中に透明な袋に包まれた小麦粉みたいな粉が見える。
「お兄ちゃん……」
「【デモンシーズン】。放置してはいけないね」
「うん」
「燃やしてしまいたいけど、証拠物として残さないとな」
小麦粉達を後にして、妹と一緒に秘密の階段を降りた。
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