「し」である

紅蛇

おめでとう

私の誕生日は、春を呼ぶ。

山からふぶく冷たさは、やみ。ふくれたからすはビル風を浴びるため、はねをひろげる。

彼らは遊んでいると知ったのはいつだったか。彼らはじゃれていると知ったのはいくつだったか。都会の死体をついばむ彼らは満腹になると、

飛ぶ。

はねをひろげて、

飛ぶ。


まだ咲いていない花の香りが匂う

まだ触れていない風のあたたかさを感じる

まだ出会っていない人との関わりに微笑む


私の誕生日は春を呼ぶ。

今日はさんがつ、いつか。

どようび、にまるにに。

私の誕生日。

心地よい日差しは、春の兆し。

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