神命下賜 -Nomination Activities-
こざくら研究会
Ⅰ 運命の時 -The Fateful Moment-
リーフ・チャイルドは荒い息を吐く。滲む汗、それが髪を伝い、額を通り、まつ毛を乗り越え目に入る。くっと小さく呻くと、目を拭った。
まだ負ける訳にはいかない。わたしは、決して諦めない。そう、
眼前は戦場への道。多くの
リーフは脳内で叫んだ。変わった! 出る!!
信号を合図に駆け出した。戦場へと続く道。そこには、目を覆いたくなる惨状があった。かつて人々が住んでいたであろう家々には、すでに灯はなく、打ち捨てられた遺体には、
リーフは思う。今すぐにでも、あの
「すまない」
リーフは
それは自らへの偽り、欺瞞。すべての者を救いたい。だがその力のない自身への諦めですらあるのだと思い、歯を噛み締める。
ふと、曲がり角から、
『どけ!!』
リーフの殺気、その念を視線に乗せ、
今は、戦っている暇はない。少しでも、少しでも早く、あそこに辿り着かなくては。リーフは思う。
そしてついに、リーフは、
禍々しい、黒き鉄の門、そこには巨躯の
いまだ!
リーフは黒き鉄の門を抜け、ついに
だが中はシンとしていた。おかしい。リーフは思う。先遣隊はどうしたのかと。いかに
だが、
不気味な予感に襲われながらも、リーフは足を止めない。そして運命に導かれるようにして、その扉を開いてしまったのだ。
その時だった。
くっ、これは罠か!! リーフがそう思った時、
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