『カクヨムサポーターズパスポート』について、考えてみました。
天菜真祭
第1話 ギフトとは、トリさん郵便のことなのです。
ギフトとは、「気持ち」を伝えるためものです。
読者は、電子便箋というデジタルコンテンツを購入します。
つまり、読者はトリさんにお金を支払っているのです。
『カクヨムサポーターズパスポート』に関する規約 を抜粋で引用します。
『第1条(定義)
2.「ギフト」とは、パスポート会員が月額課金又は月額課金とは別に追加で課金することで購入できるデジタルコンテンツ(電子便箋)をいいます。』
読者側から見た場合、ギフトとはトリさんからお手紙セットを購入する費用、つまり文房具代になります。
逆に、作者さん側から見た場合はというと――
『カクヨムロイヤルティプログラム』に関する規約 を抜粋で引用します。
『第1条(定義)
2.「還元サービス」とは、(中略)当社がパスポート会員(第12号で定義します)に販売し、受領したギフト(第11号で定義します)の売上額の一部を、本プログラム規約に基づいて、対象会員(第4号で定義します)に対して支払うサービスをいいます。』
要約すると、トリさんが、電子便箋の売上金の一部を作者さんに分けてくれるのです。
読者が作者さんへ贈るギフトの中身は、メッセージに込められた「気持ち」なのです。
わかりにくいのが、カクヨム収益化第2弾が、「読者から作者へ直接支援が渡せる仕組み」として3年間も検討されていたため、ギフトが作者さんの直接の売上金のように思われているのではないか? と、感じています。
で、現状を見渡すと、なにかモヤモヤする。
これはトリさんが悪いとは…… 言えないです。
規約にしっかり書いていますし、読者側(サポパス)、作者さん側(KLP)ともに第1条第2項に条文をそろえている几帳面さは、さすがトリさんと思います。
それで、なにがモヤっているのかというと、限定近況ノートの使い方です。
近況ノートに、サポーター限定の小説を載せている作者さんがいるような?
もちろん、ギフトを贈って中身を確認した訳じゃないですが……
(ギフトは、誰が贈ったのか、作者さんにも第三者にも見える仕様なので、このばあいについては確かめない方が良いです。きっと)
再度、『カクヨムロイヤルティプログラム』に関する規約 を引用します。
『第5条(限定近況ノート)
対象会員は、自身の会員ページ内で一般公開される近況ノートをパスポート会員限定に設定することで、限定近況ノートにすることができます。近況ノート及び限定近況ノートでは、自由にメッセージや近況等を書き込むことができます。』
自由に書いても良いのは、メッセージや近況等ではないかと、私はそう読みました。少なくとも小説作品を書く場所じゃないですよね?
どうして、限定近況ノートに、作品を掲載することが、モヤるかというと――
『第7回カクヨムWeb小説コンテスト募集要項 注意事項』を引用します。
『応募作品は、未発表かつオリジナルのものに限らせていただきます。但し、本コンテストへ応募する前に、応募者自身が運営するwebサイト、応募者自身で作品の修正・削除等が可能な非営利目的の小説投稿サイト(中略)で発表された作品は、未発表作品とみなされます。』
※傍点は、わかりやすいように書き足しました。
多くの小説コンテストが、ほぼ同じような規定の募集要項になっているはずです。
3,000リワード以上にならないと現実には、支払いを受けられませんが、ギフトの収集を目的に作品を限定近況ノートに掲載すると、この規定に抵触しませんか?
売り上げ金の有り無しに関わらず、営利目的で公開するとダメらしいと思うのですが……
そして、ツイッターや、公開の近況ノートなどで、「サポーターさん限定で作品を公開しました」って、宣伝をすると…… 他の出版社さんにも見えます。
サポーターがいることは、ログインしていない第三者からも見える仕様です。
大丈夫なのかなあ?
でも、それを判断するのは、トリさんや他の出版社さんだから、私からは良い悪いとは言えません。
◇ ◇
このエッセイもどきでは、こんな感じに、実装されたばかりのカクヨムサポータープログラムについて、規約や決算説明資料などをもとに、眉唾モノの推論もまじえて考えてみたいと思います。
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