2/12 東雲晶久
2月12日(土) 晴 担当:晶久
なるほど、日記というのは良い手段です。
3名全員で相談の上決まったプレゼントだったそうですから、全員に礼を述べておきました。
さて、今後誰の目に触れるか分からないオープンな記録媒体であることですし、この日記の執筆者である我々について少し説明を記載しておくことにしましょう。
我々は死者の魂が8名分同居した多重人格者です。
名を合田佐喜と申します。現在の肉体年齢は昨日もって21歳。大学の学生で、司法を専攻しております。
なお、予備試験を経て司法試験は無事合格済みです。試験日は全て私が表に出させてもらっています。資格持ちは強いですからね。ただ、司法修習に入るにはこの多重人格者である現状がネックになりますので、弁護士への道は進めないでしょう。仕方ないことです。
身体を共有している我々自身はそれぞれに享年も死因もバラバラで、共通点といえば同性愛者であることくらいでしょうか。享年8歳のカナくんにこの共通点が当てはまるのか甚だ疑問ではありますが。
現在日記を執筆している私は、生前の名を東雲晶久と申しまして、この肉体を共有するメンバーでは最年長者になります。弁護士として日夜忙しくしていたのですが、忙しくしていたせいか自らの体調悪化に気付かず、気づけば末期癌であっさり命を落としました。
我々の中では比較的穏当な死に方であったと思われます。自殺も先天性疾患も過労死も殺人被害者もいますからね。比べれば、老衰の次に穏当なのではないでしょうか。
ええ、どれが誰かは申しませんよ。自己申告でお願いします。
さて、自己紹介はこんなもので良いでしょうか。
昨日担当の晴斗くんより情報共有せよと指令がありましたので書いておきましょう。私宛てのプレゼントは万年筆でした。良武くんがどうやら奮発してくれたようで、蒔絵の美しい逸品です。美しくてむしろ普段使い向きではないので、飾っておきますね。
テルさんお手製のケーキもいただきました。若い身体になって生クリームで胃もたれすることもなくなったのは実にありがたい。美味しかったですよ。ご馳走さまでした。
本日の食事は、朝から雪かきの報酬でケーキをいただき、昼はパンケーキとシーザーサラダ。夜は寄せ鍋でした。少し残っています。朝から雑炊などいかがかな?
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