第26話異世界灯籠流し:神農からの啓示:

 あたらしくつくげられた異世界いせかいでは、本来ほんらいなら人間界にんげんかいそとごし天人てんにん仙人せんにん死人しびとのこされた超常ちょうじょう存在そんざい往来おうらいしていることいた『印度菩提樹いんどぼだいじゅ』と『団三郎だんざぶろう』がはなしをまとめるていると突然とつぜんそらうえからくも梯子はしご安穏あんのん神仙しんせん世界せかいみちつなげた神農しんのう霊智れいちさずけた使つかいをつかわしてみことのりのたまわせたのです。

 【霊体れいたいてても山頂さんちょうのぞみ、草木くさき常理じょうりたモノたちよ。……今、お前達はてんおおせる永久とこしえ俗世ぞくせのがようとするがあまり、中心ちゅうしんるべき山川やまかわうごかそうとしていること理解りかいしなさい】

 騰化とうかじゅつけ、そら自在じざいかび仙人せんにんったした使者ししゃ雲間くもまかった雲梯うんていの道からゆっくりと男達おとこたちまえりてました。

〈あみださまでしょうか? 〉

 天上てんじょうより姿すがたせた仙人せんにんに『団三郎だんざぶろう』は紫雲しうんってそらから極楽ごくらくみちびとうとい存在そんざい連想れんそうしてしまいポロッとおもったことくちにしてしまいました。

【いいえ、わたしただ使つかいいです。天国てんごくなどばれる天上てんじょう楽園らくえん極楽ごくらく浄土じょうどすぐれた知性ちせいそなえたたましい宿やどらせるひとのモノであり、こころまずししいものすくわれるところあたらしく草創そうそうされ、ほうことなってしまった異世界いせかいおもむことむずかしいのです】

 端麗たんれいそなえた御使みつかいからりやすく心地ここちことつむされましたが、人間にんげんようくちうごかしてしゃべわけでは様子ようす距離きょりなどの障害しょうがいをものともせずに綺麗きれい声音こわねみみとどきました。

「この異世界いせかいみちびいてくださったおかたは、奇跡きせきほどこすつもりが世界せかいだとおっしゃっておりました。てっきりわたくしすくいの荒廃こうはいした世界せかいなのだと……」

 転生てんせいするまえ出来事できごとゆめではいと理解りかいし、やっとおもこしげようとしていたおとこまえあらわれた仙人せんにん天使てんし奇跡きせきほどこしてくれるのではいかと期待きたいしてはなしつづきをうながしてしまいました。

【……今生こんじょうあいだ衆生しゅうじょう済度さいどされる理想郷りそうきょうもといのり、ねがつづけたきよ者達ものたち満願まんがん成就じょうじゅしたさいの、片隅かたすみ新生しんせいした世界せかい。それこそこの世界せかいちなのです】

 御使みつかい仙人せんにん淡々たんたんおとこがりたがっていた新世界しんせかい説明せつめいかたはじめます。

【その瞬間とき強引きょうりょくちからによって常識じょうしきでははかれないじゅつわざ実現じつげんしてしまい聖人せいじん賢者けんじゃ西方せいほうから東方とうほうひろめた四季しきめぐ秩序ちつじょひか耀かがや太陽たいようらされ姿すがたえるつきかた法則ほうそくうしわれてしまいました。いにしえ賢者けんじゃたち十二じゅうに種類しゅるいかたちなら星々ほしぼしわた太歳たいさい観測かんそくし、六十ろくじゅう周期しゅうきかぞえた還暦かんれきくつがえり、みだれてしまいこよみていをなしておりません】

 不思議ふしぎ出来事できごとこるこの新世界しんせかいは、もと世界せかい当然とうぜんだった順序じゅんじょわってしまいくるってしまたと御使みつかいはなしますが、男の知能ちのうではなに問題もんだいなのかかりません。

なにくないのでしょうか?」

 この世界せかいおくられてから出会であった不思議ふしぎ存在達そんざいたちおとこにとても親切しんせつ対応たいおうをしてくれるので、前世ぜんせのお伽話とぎばなしかたられる悪戯いたずらわざわなどわる想像そうぞう一切いっさいかんがかなかったのです。

みずやま精霊せいれい軽々かるがるちから使つか地形ちけいわり、きびしいさむさからのがれるため危険きけん承知しょうちうみわた様々さまざまとり半夏はんげしょうじる季節きせつもりえてしまい、かくらしていた妖精ようせいたちはしけてくにさらしました。それによって、けてはひとだまこまらせていた妖怪ようかい人間にんげんうごきをさぐろうとし、れてはさかえる恒久こうきゅう法則ほうそく樹精じゅせい疑問ぎもんってしまいました】

 自身じしん唐突とうとつ行動こうどう異常事態いじょうじたいだとかんじていた『印度菩提樹いんどぼだいじゅ』と『団三郎だんざぶろう』は御使みつかいこたえをってやってたのだとおもいたります

【……下界げかい見守みまもこよみあらたまると動植物どうしょくぶつうるおいやめぐみをあたえていた天上人てんじょうびととしはじめ、正月しょうがつ見失みうしなってしまったのです。このままではてんからの恩恵おんけいそそことく、大地だいち草木くさきものほどこそだてるいとなみがわりをむかえてしまうでしょう。その事実じじつあわれみ、みかどとして人々ひとびといつくしんだこともあられたきみ貴方あなた知恵ちえさずけてこよみととのえてもらようわたし寄越よこししました】

 そうると御使みつかいをかざし、おとこ不思議ふしぎひかりつつんでしまいました。

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