その31.ずっと続くホルモン治療……

今日、ジェンダークリニックの日でした。

いつものように、14日間隔で、仕事終わりに、通勤経路とは逆方向の電車に乗る。

30分程度で着くとはいえ、割と精神をすり減らすものだな、と感じています。


前回、すごく前向きな気持ちになれていたのを記事に書きましたが、今の気分はそこまでじゃない感じ……。正直、やめられるならやめてもいい、と思えてます。


でも、せっかく何十万円もかけて「今の私」になれたのに、とも思う。


だって、それはこれから何十年も、いつの日か、ホルモン治療を止める決断をするまで、ずっとずっと、年間10万円以上の自己負担額を、継続していくことを意味するんだ。


もし


もし、神様がいたとして、


「戻れるなら(ホルモン治療前に)戻るか?」


と問われたら……。


今は、どうこたえるか、迷うかもしれない。


この、年10万以上という額を、ほかの何かに使えたらどうか、と使途を思い浮かべてみる。


でも、結局は、私にはたいした使い道は思いつかない。せいぜい、靴や服を買うくらいだし、それだって、そんなにたくさんは無理だ。置く場所も私には限られてる。


だから、結局のところは、まるで「自己啓発」のように感じなくもないけど、こうしてホルモン治療にお金を使っていることに、満足してしまう。肯定してしまう。否定できない。


こうでも考えないと、この不可逆の変化を、受け止められないのかもしれない。


もっと女性っぽいからだになるのかと想像してた。


でも、現実は違う。


もちろん、からだつきは柔らかさがつき、乳腺がちゃんとできた喜びは計り知れなかった。でも、このからだは、想像していたよりも、ずっとずっと「男のまま」だ。


失望と期待を抱き続けて、ホルモン治療を続けていくんだろうと思う。

来年も、その翌年も。


せめて、男にも女にも見えない、そんな容貌を目指せたらいいな、と

そんな風に思う。


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