第29話 年齢

僕は子供の頃から、近所の奥様方の井戸端会議に参加することが好きだった。というよりお喋りをしたかっただけかもしれない。小学生4年生の時、いつもの様に井戸端会議に参加した。その時


「俺のお母さん、『28歳』なんだよ!! 」


と言った。お隣のおばちゃん(と言っても当時は28歳)が苦笑いをしながら


「ウチと同い年……じゃない??」


と何となくぎこちない返答をした。何故この話をしたのかというと、前日に母に


「ねー?お母さんって何歳だっけ?」


と質問したところ


「28歳よ」


と答えたので、そのまま報告しただけなのだ……僕としては。そして数日後、母に頭を引っ叩かれて、


「外で余計なことを言うんじゃない!!」


そう般若の形相で叱られた。


大学に入学してから初の新歓コンパで、女子と同じテーブルになった時


「〇〇さんは18歳なの?」


そう質問した。これも理由があり、僕は浪人をして入ったので、


(もしかしたら浪人の人いるかな?)


という軽い気持ちで聞いたのだ。すると質問をしてもいないジャバザハットみたいな女子が、人差し指を唇に当てて


「しーっ。女の子に年齢を聞くのはタブーだよ?♡」


と軽く注意されてしまった。この時、僕は少しムカッとした。


「てめーらさっき『私達ぃ、未成年だから酒は飲めませ〜ん』なんて言ってたろーが!仮に酒を飲みたくない遠回しの拒否だとしても、どう見てもピチピチの二十歳前後じゃねーか!なーにがタブーだ馬鹿野郎!」


そう思いながら小心者のワタクシは


「ですよね〜ごめんね〜」


と謝る事しかできなかった。別に年齢で判断しない性格だけど、社会のルールは厳しいなぁと学んだ、そんな夜だった。


        結論

『女性を見かけたら、声をかけず視姦しよう』

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