第7話 自動車学校 その2
学科も半分くらい終わり、いよいよ決心して自動車実習をする決意をした。いや、しなければ仮免にすら逃げないのだけども笑
実技は予約制で、たまたま空いていたら連続で二時間(一回につき一時間が基本)入れる様になっている。そしてその日がやってきた……。緊張する僕に更に緊張させる出来事が。教官の頭がリーゼントみたいな感じなのだ。
「よ、よろしくお願いひま~ふ……」
「おう、担当の木村だ。よろしく。」
早速、車に乗り込もうとした時、
「おい!!」
と注意を受けた。
「まだタイヤ確認とかしてねぇだろうが!」
「す、すいません……」
急いで指差しチェックをして
「終わりました!」
と言って車に乗った。別に乗り心地は悪くない。ただ……隣にいる人が……。
「じゃあサイドブレーキ下ろしてブレーキを踏み続けたままDに。んでゆっくりアクセル踏んで」
僕「さ、サイドブレーキを……降ろす、はい、降ろした。え~ブレーキを踏みながら……」
ゆっくり丁寧に確認する様に一つ一つやっていっている途中で横から
「おせぇんだよ」
との少し苛ついた声が。
「す、すみません」
と小声で汗を額に垂らしながらなんとか出発。その後は指示通りに行動しているのだが、必ず教官側のブレーキを踏まれる。
「おい、ちゃんと左右確認したか?してねぇだろ」
(してんだよ馬鹿野郎が!!)
僕もだんだんイライラしてきて車内の雰囲気は最悪に。終いには
「おい、あの水銀燈分かるか?」
との問いに
「いえ、運転中なので確認できません」
と言う始末。なんとかハンコは貰えたがもうあの木村という奴に教えてもらいたくない!そう思い、受付の方に相談したら苦情の紙を頂いた。僕はその場で
『そいつのダメな所と、こやつを働かせ続けるとここの評判も落ちて生徒たちからの評判も落ちる。更には卒業生たちから、まだ免許を取得してない方にまで情報がいくかもしれません。そうなる前に、どうかご検討をお願い致します』
と書いて提出した。そうしたら受付のお姉さんが
「もしかして木村さんに当たった?」
と聞かれたので
「はい!奴は最悪です。自動車の動かし方を学ぶために通っているのに、最初から知っているだろうというスタンスは許せないですね!」
と言った。するとお姉さんは笑いながら
「実は何件も来てんのよ、苦情」
と教えてくれた。
「じゃあ、今度は別の教官の方に当たる様に設定しておくね」
と配慮してくださった事に
「ありがとうございます!!」
と深々と頭を下げ、涙が出そうなくらいの顔でその場を後にした。
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