あの日の後悔と懺悔とそれと
ばってんがー森
《一葉のクローバー》リアル
「だって座敷童子が不幸な家に現れるということは、それはこれから状況が良くなるということでしょ??」
「ふんっ、『悪い環境に座敷童子が来るから良くなる』のではない。『良い環境には座敷童子がいたという話じゃ。』たわけが」
昔から
「まーちゃんは優しいねぇ」
そう言われてきた。
「善」を行えば、必ず誰かから必ず返ってくる。そう信じて人生を送ってきた。幸いにも固執する性格ではなかったため、お返しがなくても苦にはならなかった。もちろんお返しをしてくれる人も大勢いた。でも、次第にそのことに生きがいを見出し始めた頃があった。
「恩を売られたなら返すのが筋だろう」
僕の頭の中のルールは自然と固まっていった。何と独りよがりで独善的!まるで悪徳商法の押し売り!誰に何の恩を売ったか、その時の僕は、人を「人」と見るよりも「数字」として見ているように思えた。そして当然恩を売った「人」と恩を売った「回数」を思い出す度、
「あいつっ!!僕があそこまで色々してやったのに………」
と声にならない勃然が湧き上がってくるのであった。
しかし、こんな僕でも友達は居る。高校で同じクラスで帰り道も同じだった「菖蒲さん」。ある意味物事を俯瞰的に捉えている仙人みたいな人だ。この方には頭が上がらない。特に不自由ない生活。いつまでこういう人生が過ごせるのか?考えたこともなかった。が、天は僕に容赦しなかった。
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