第34話 兵士長の決断
6155は、兵士たちに頭を下げていた。
「申し訳、ありませんでした……」
『兵士長の責任ではありませんよ!?』
『我々見張りの兵がいながら、何故……』
様々な者が交わり、会議が開かれた
「なぁ6155、傷はもう平気なのか?」
魔王は心配そうに兵士長に問いかけるが、特に苦しむ様子はなく
「治癒魔法を使いましたから」
「魔法では限界がある、無理はするなよ」
「……私の事など今はどうでもいいのです、問題は『敵』と『世界』について」
現状が書かれた紙が、会議室の大机に置かれた
①魔王城が襲撃される
②敵は城下町で民に見つからなかった
③城にいた門番は『敵』の姿を見ていない
④侵入した敵は3名、他に仲間がいるかは現状不明
⑤兵士長とヘリウズが牢の前で見張っていたが切られた
⑥切られた際に顔は見ていない、そもそも切られた事をよく覚えていない
⑦敵は『ロシルデ』という旧世界の麻薬をゼルに使用
⑧ロシルデの効果は『記憶が過去に戻ってしまう』
⑨ゼルについては緊急で捕縛した為に、敵が知っている可能性は薄い
⑩狙いは魔王、あるいは王妃の可能性が高い
⑪魔王は現在魔力が回復している
「王妃様、お身体大丈夫ですか?」
「……うん」
「魔王様、王妃様を守る為に城の上部に王妃様を監禁していただきたい」
「上部に部屋を移すのはかまわないが、監禁などしない」
「敵の狙いが王妃様だった可能性も高いんです!」
「6024に、不自由な思いなどさせたくはない……俺は、どうやら国王には向いてなかったらしい」
何時のまにか覚悟を決めたのかは分からないが国王は全てより王妃を優先したがっている
決して悪い事ではないが今、王妃が自由に街へ出ていくと不倫(優しさ故)みたいな地獄
阻止するにはどうしたらいいのか
「さて、どうしたものか」
「もし6024に手を出してみろ、たとえお前でも容赦は」
「僕はその部屋にずっといてもいいよ」
「えっ」
「いいのか!?自由を何より愛するお前が!?」
「その代わり頼みたい事があって」
「何でしょう?何でも言って下さい」
「勇者たちが、クローンとして生活していた時の様子を調べてほしい」
「――――それっ、は」
自分は普通のクローンより遙かに幸せだった
しかし他の者がどれほど悲惨で、思い出したくない記憶なのかは想像が容易だ
王妃は鬼ではない、この指示に理由は絶対にある
「王妃様ってクローンだったんだろ?そんなものいるのか?」
「ヘリウズ、流石に大会議では謹んで下さい」
「僕が許してる、いいんだ」
「……王妃様がおっしゃるなら」
考えてる暇はない、実行あるのみですね
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