「丼ガチャ」開店します!

雨上がりの空

第1話

ピピピピッ ピピピピッ




何度も鳴る目覚まし時計をようやく止める。

朝は苦手だ。

寝ぼけながら郵便物を取りに行くと、あるチラシが入ってた。


『丼ガチャ 近日オープンします!県内初出店!一度食べに来てください。あなたをトリコにします。』


「何だ?丼ガチャって。」


聞いたことないけど、いま巷で流行ってるのか?テレビもろくに見ないから流行りについていけてないんだな。


時計を見るとバイトの時間まであと1時間しかない。


急いで朝食を食べて準備する。




「おはようございます。」

「おはよう!今日はちょっと早いねー。」

「はい。道路空いてて早く着きました。」


バイト先のコンビニまでバイクで10分ほど。8時から17時までフルで働いている。


全国的に最低賃金が少しずつ上がってきてるが、まだまだ田舎は低くとてもじゃないがフルで働かないとやっていけない。

体はしんどいが生きるためには仕方がない。


ここで働いて5年目に入り、すっかり仕事にも慣れて、店長も穏やかでいい環境だ。

クビにならない限りは、今後もここでお世話になるつもりでいる。


「休憩だね。はい、これ差し入れ!」

「いつもありがとうございます。」




店長からお茶と饅頭を貰い、バックヤードにさがる。

少し遅い昼ごはんは、家から持ってきた梅干しのおにぎり3個とここで買った唐揚げだ。

大体いつもこんな感じ。


モグモグとおにぎりを食べながら携帯をいじる。さっき見たチラシを思い出し、携帯で検索した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る