星は容易く空間を捻じ曲げる⑥
誰も自分のいる現在地というのを把握していられる人物というのは居ないだろう。
どうにも蹴り飛ばして落ちてきてもそれを理解するには程遠い。
「これで」
建築物にへと雷撃をぶつけていけばその熱量で焼き焦げていくことだろうか。それを憶えていたのなら戦場における環境が変動しないからとバカスカ使っていくことだろう。
そこんところを丁寧にやっておけば誰も間違いなどしなかったはずなのに。一瞬で命を消し飛ばしてくるはずだった鋼鉄の杭の連打によって壁が打ち砕かれていく。その杭がしっかりとマントを壁にへと打ちつけてきた。当然のように杭としての役割を達してきていたのには驚いてしまった。
だがだからなんだとしか言いようがない。すぐさまマントを解除してしまえばその杭の役割というのは外れてくれる。なのだがマントをわざわざ展開していたということは必要であったということ。
どうにも嫌になる気分だ。この場にある世界にはどうせ滅ぼされてしまう夢。であればここから一発の雷撃を放っていく。
ここから『リリアンシルバーライトニング』でも『ライトニングボール』でも発動させて弾丸として撃ちだしていってもその杭によって弾かれてしまう。結末としてはまだ遠い。
エネルギー刃によってノワールリルを大鎌にまで展開していく。それでどうにか壁にへと当てていけば容易く崩れ落ちてくれる。なのだがすぐさま再生の色を見せてくていたのである。
それを確かめるようにしてもう一発を入れていく。こんなことをやっていれば相手側の
これに気づいてその天井をバッサリと切り裂いていけば床にゴロゴロと落ちてきてしまう。フェイクだっても難しいことばかりだから。なんで撃たれたはずの奴がここに上がってきているのか。
だとしてもこの場にあるのは通路ばかりだった。そこでここがどこかだと見渡してみればそれで出てくるのは恐ろしいほどの危険物質である。ここに満たされている空気というのは不自然なまでの恐怖を呼び寄せるそれ。
そこにまで誘われてしまうのは蟲よりもどうかしている動き。習性にしてももう少し真面目にやれとしか言いようがないのか。そこで危険信号に飛び込んでいくのはそうそうに排除してしまおうという考えだ。結局解決してくれるのかは疑問が残るがそんなこと知ったことか。
この通路にも他人の姿も自動機械の姿も見えてくれない。それであって開けてみれば大変なモノを見せてくれる。ドでかい扉。ただただでかいとしか言葉は出てこないシンプルな立て付けである。
これを開けてしまえばそこにあるのは巨大なドームである。というかドーム屋根と呼ぶのが正しいのだろうか。ここで開けるべきはもうこの巨大なこれでしかないとか思っていたら。
中央の空間を囲むようにグルリと広がっている静かに並べられている座席というのを見てしまえばここが何かというのを想像に難くないこれ。全くどうして、コロシアムにしても殺風景なことで。デザイン担当は何をやればこの事態になるのか。責めてやるのも酷なこと。自信を持つべきのならどうしてここを任せたのか。
「あぁ、ここに誘い込まれたのは気のせいだったりするのかな。そうだよね。普通の人間であればこんな場所にまでやって来ないし。というかそもそも普通であればこの建物まで来るはずもないか」
なんでこのようなことを述べるのか。それであるのは頭上になにかしら出現してきているから。どうせそもそもわかっていたのだろう。何かしらというのは人間大のサイズである。というか容姿からして人間そっくりである。元から人間だろこれ。
「………………そういうこと。来ないで欲しかった」
彼のこの姿はどこで手に入れたのか。どう観ても元来のそれではないように見えるのだが。元々がそれであるのならおかしい。どうしても違和感が拭えない。
「貴方、名前はあるのでしょうね」
宙にへと階段を展開して、そこから降りてくるのは余りにも自然の動きであるために注意がそちらに向いてしまう。だがそれでもあるのは結局どこまで行っても危険な怪物。これが人間であるとの認識をするのが難しい。なんのために生まれたのかとかの答えなんて。
「誰もが持っているわけでもない。それを忘れてはいけません。貴女がここにいるのであれば純粋な侵入者。興味もなく使い潰される玩具としてここに捨てられた私のために滅んでくださいよ」
「はぁ?」
そして飛んでくるのはまさかの突撃砲弾だった。本気であるとの確信を得たがそれで防いでいられるとは到底思えないそれだ。一撃でしかないとか思っていたら実はこの弾丸というのは彼がその身で変化したそれだった。誰が分かんだよそれを。
「ッ!『白骨式・突化衝』でも」
大きく肥大化させた白骨の大楯によってどうにかこの砲弾というのを防いでみせるのだがそれですぐさま後方にへと出現をしていた存在がある。そしてその弾丸として飛んできていた個体というのは既に起き上がっていたのだ。
この動きには感心してしまう。当人にとってはそれどころではないという感想があがる。後方にへといるのは蜘蛛の怪人であったがそれはもう一発シールドバッシュでぶったたいていったので粉砕されてしまう。
「あっという間のそれ。雑に扱っていい命などないはずだけれどこれでも何度でもやれる。君の方はどうなんだって」
そして殴りかかってきていたのはその正面の人間だ。拳で殴っていって出る結果というのは楽しみで仕方ない。その飛んでくる拳というのを受け止めてしまえば更に攻撃としては目からビームとか撃ってくる。これを人間と同様の姿でやられるのは心臓がもたないって。
「地面を抉ってしまうのは地盤の上に立っているからだよね。そしてここは海底に建てている」
ここで一発の弾丸を撃ち抜いけばなんてできるのであればどれだけ楽だったろうかな。せめてなんていってもここから更に………………床をぶち抜いてしまえばいい。
数十にもわたるやり取りによって飛んでくる拳やらを受け止めていった。その後にも拳以外にも飛んでくる物品があったりする。何とかやれたこれが不思議でならないくらい。剣から槍やら斧やら弓やら弓矢やらが落ちてくるのだからここに観客が居なくてよかったなぁとか思ってしまう今日この頃だったりする。
だとしてもこれを一通り防いで何とか次の目が出てくる。あたしにとってのここからが回答。信頼における一撃。
「ねぇどうして貴女は死にたくないと喚くことをしないのですか」
あぁ、それを聞いてくるのが違和感でしかないんだよ。というかあたしは貴方の顔を見ているから。あれはきっと同じ顔だ。どこかにこれを人間ではないと認識した理由はここにあったのか。ようやく気付いた。あの時の彼とは感情の揺れが余りにも違い過ぎる。どうせならあの時の迷惑破壊っぷりと見せて欲しかった。そうでれば感情をぶつけての喧嘩殺法でもやれたんだ。だがあの気だるげな、無気力なそれであればどう足搔いても相手に感情を出してくれとそれを要求していく手を打つしかない。
だがそれを叶える方法はあるはずもなし。それを確信してしまったから。
「どういう理由なんか求めても答えがあるはずもない。既にある程度の精査は完了している。どうせそれはお互い様でしょうしあなたはそういうことも含めて諦めている状態。勝手になんていわない。墜ちろ」
ここで
ベリべりとひびが入っていくことにより床がグラグラ揺れていくことになる。これをするためにどれだけの重量分の圧力が必要なのか。床にこれだけの威力を出したわけなんてわかり切ったこと。掛けたのは怨念。
相手がこちらにまで殴りかかってきてその先で握りしめているのはシックルの一本であるのか。だが間に合わない。ちょうこの瞬間にて床が崩れていくから。この部屋にまであたしを閉じ込めたのは能力等の確認をしておきたかったからだろう。どうせ後があるのなら、そして今の内に撃破をしてしまえるのであれば情報を欲するのは間違いのないことだから。
ザッハークとやらが見ているのか。それともリアルタイムでは部下がオペレーターでもやっていていて後で閲覧でもするのだろうか。だとすれば目の前にいる彼はもう見捨てられてしまったということかよ。それを認めてしまうのは相手にしていて心苦しいことばかりだ。
そんな馬鹿なことを考えていたからだろうか。この頸というのをがっちりと掴まれたままに落下の姿勢となってしまった。この無気力でそもそも闘う気のない様子の彼にとって何か生きたいとい理由が出てきたということか。
「満足してやるからさあ!元気にやろうか。ここから一緒に地獄の底まで落下って」
全力での叫びを上げれば
そして落ちていくのだがこの勢いで下層の床にまでついてくれることもない。全力での一撃必殺を撃てればどれだけいいだろうか。その余裕すらなく今現在お互いにこの脚で立つ世界の層というのがずれているのではないかという不自然な移動の仕方をしてしまっているから。
そこで思わずお互いに手を伸ばしたのは何だったのか。
碌なもんじゃないな。どこかで違和感に気づいてまで意識を取り戻したのはいいがそもそもここがどこであるのかも知らない。というかそれどころでもなく皆が心配で仕方ない。ちょいと困る。ちょいとでは済まない。どうしてドでかい隠れ家的な場所にて来たばかりの人が攫われてしまうのか。というかあれは攫われたということでいいのか。というかそもそもが誰かスパイがいたとかで………………あれなんか色々と記憶が混濁しているような気もする。
まぁ記憶なんてこの世の中で一番におかしなことだといえるから特に気にしていても気が遠くなる。この場にいるというよりは何かが弾けた音が聞こえてここへと来てしまったということ。
「何も気にすることなく帰りを望むのが一番あのでしょうけれども。まずは現在地がどこかというのを把握しておかなければいけないから」
手元とか懐とかを探っていけばちゃんと自分の杖があることに安心を憶える。それで見つかってくれたのだが強烈な不安感をも心にあるのだ。自分が攫われてしまったとするのであれば誰かにこの身体でも弄繰り回されているのではないかということをに。
それで一通りデバイスも含めて探っていけばそこでは結局何かしらが見つかることもなく安心をしようとしたところで視線を横切るのはどこか見覚えのある顔の少女である。
どこで見たかなぁとかデバイスを顔の前に持ってくればすぐに理解した。これってしっかり自分の顔じゃないか。それでまさかと思いつつも望遠でもして覗いていけば彼女が握っている杖もバカスカそれこそ馬鹿みたいに撃ちだしている魔法というのも大体私が頻繁に使用しているのとそっくりだ。というか真似をされていると認識したら属性を除けば本当に………………私を真似したみたいな。
「というかもう大体が私に成り代わるためのそれなんじゃあ」
彼女の胸元に何かしらが貫いたような穴があるのを見つける。それを見てしまえば視点というのも変わってくるというのは当然。というかそもそも彼女は誰に向かって攻撃しているのか。まさか私に成り代わって私の知り合いと戦場を共にするなんて不安ばかりが浮かんできて仕方ないのだけれど。
そこで何とか気合でも出して彼女の近くにまで寄っていこうとでもする。なのだが飛んでくる流れ弾とか瓦礫とかが危なくて怖くて堪らない。近づくのにも一苦労で大変だ。下手に撃ち落してしまえばそれで誰かが隠れているとばれてしまうのでビクビク怯えてしまうのもこの幼い少女の時分であればおかしくもない。相手の強さなど性格には見極められていない段階では下手なことはしたくないから。
それで何とか恐る恐ると飛んできた瓦礫の陰から覗き込んでいく。ここで見た光景というのは自分に近い、悍ましい怪人の意匠にまで乗せていった存在というのが全身にへと氷の槍を突き刺していった姿である。そしてその正面にへと立っているのは見覚えのない人物であった。氷の生成と射出など彼が実行したことか。
(あぁ、氷なんてここが極点に近いからなんて………………)
「にしても春になったっていうのに最近場所にばかりいるような気もするけれど」
ここでフラフラ揺らめいていてもすぐさま起き上がってくるのだ。自分そっくりの姿でやられてしまうのはとても悪寒がしてくる。咄嗟にこの杖で撃ち抜いてしまったのだ。
この行動に後悔がするがすぐさま碧い騎士ともいえる姿の機械兵器がやってきて彼女を抱えて立ち去ってしまった。これを見せられてしまえば乾いた笑いが出てくるばかりだ。言葉も出ないって。
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