世界を揺るがすその前に⑦
この碧い機械兵器がいきなりといっていいほどの勢いでこちらまでやってきた。
そして剣を交えての戦端が開かれることになる。
『どこまでも愚かな連中よ。ちっぽけな存在がどこまでもいらつかせる。どうして戦場にその身を置いているのか。考えたことはあるのかッ‼』
などといわれてもエクスワイアにはそれに答えるだけのものを持ち合わせてはいない。
「知ったことかよ。これ以上誰かが死んでしまうのは悲しいものだよ。だからこそここで全力でその原因の一つとなるのであれば、それを打ち砕くッ‼」
『それを以ても生きていけないだろうに。だからこそ地獄を見せてやろうぜ。この星の怒りによってでも』
その剣の一撃によって弾かれてしまう。大きく距離を開けられてしまうことになった。
碧い騎士ともいえる様相のこの機体はこちらに向かって砲身を差し出してきている現状。それには思わず舌打ちをしてしまう。
既に行動を開始していることに気づいていないのが残念でならない。期待外れもいいとこか。気張って出てきたわりに大したことないんだな。
右脚が確認出来る状態でないのに気づいたそうでそのあった場所に照準を急に変えてきていた。
(何をやっているのか。そんなところに脚はないっていうのに)
そこで一回転をしてまさかの蹴りを放ってきた碧い騎士である。まさかの後方へとである。
「ッ⁉どうして当ててくるんだよ」
その場所にあったのは当然ながらエクスワイアが使用している機の脚部分である。
分離して遠隔での操作ができる機構がついていたがそれがしっかりと役に立つ証明は出来ている。
ただ相手の方が極めて優秀であったということだろう。攻撃をされてから対応してきて間に合うのは流石に怖すぎると思うのだが。
すぐさま右脚を元の位置に戻していっていた。そこから回転を加えていってさらに今度は左脚で蹴りを放っていく。今回のものは先ほどよりも高威力で強固で頑丈な攻撃となるだろう。
だとしてもそれに対して正確な角度での打撃を加えてきて相殺してみせた。その際に使われた武器というのが金属バットというのだから不思議なものだ。15m程度の巨大ロボットが持つようなものである。これだけの大きさであれば比率も考えて巨大になるのも仕方のないことであろうか。
「ふざけてんだろッ、それは」
『遊んでいても仕方がないのでな。本気でやらなければ気が済まないというものだ』
こいつが何を言っているのか分からないが気になってくることがいくつもある。
まぁそれはそれとしてだ、優先していうべきことがあるだろう。
「んなバット持ち出してきて遊びじゃないって言われてもパッともピンともしないっていうものだっが⁉」
もう情けなくも舌が廻ってこない。流石についていける気がしないがどうしても。一体どういうつもりであれを墜とすことの妨害をしているのか。普通に考えてそれを実現させたいからだろうが。
面倒になってきたのでエネルギーで構成された巨大な刃によって切断してしまおうとする。
『それくらいでやられるようなことはないって』
この大剣を防ごうと盾を持ち出してきて構えてきていた。そしてこの碧い騎士は突進をしていって腕を取りにいこうとする。
(甘いっていうものだ、それは。一体どこに向かってのものか考えて打って欲しいものだけれど)
その大剣を上方へと放り投げていって拳で殴りかかっていった。碧い騎士の頸に目掛けてであるのだが。
一発殴っていって吹っ飛ばされていった頭のことなど気にしている余裕はない。それよりも大事なことがある。
「それは目の前にいる敵だよ。くたばんなよこの野郎が」
そしてもう一発と殴りかかっていこうとするがそれよりもまず『ケイオスレイド』の不調が目立ってきている。
これで戦闘をしろっていうのは………………………………………………全くだ。
『頭の一つを潰してこれで終わったなどというのでは困るんだだなぁッ‼』
急な軌道の変更に碧い騎士の機体から軋むような部分が見つけられる。そこまでされても困るのだが。
と油断していたらポンッと頭が何事もなかったように綺麗な状態として生えてきていた。
「いくらでもやってやるからかかってこい。全部潰してやるからさぁ‼」
全身から膨大なエネルギーが噴き出してきていたが瞬時にそれを制御してみせてその身へと閉じ込めて見せた。
そこから湧いて出てくるのは巨大な拳か。エネルギー弾を拳からその形で放っていった。
視界を遮られたがその向こう側というのはよく見えている。ただ覆っただけで全てが見えなくなるほどポンコツには出来ていない。
(これを目くらましにしか使えないなんて悲しいことだ。もっと有用な方法がこの戦闘でもあったはずなのに)
そしてばら撒かれるのはエクスワイアにとっては未知の物質、粒子であった。それは知識としては知っていても誰かに使われるのは初めてのことである。
さらにこの碧い騎士の全身からは毒々しい翠や紫、茶色といった配色が浮かび上がってきていた。
ずっと装甲で隠されていた腕がカシャカシャと揺れている。それは篭手の類として装備されているのであろうとエクスワイアは考えていた。それが違うとなればまた別の理由を求めなければいけない。
だが凶悪なエネルギーによって成形されたこの拳の波形は碧い騎士への攻撃としてもエクスワイアを守るための障壁という役割をもっていたりもする。
そこでエクスワイアの上方にて活動を行っていた人物というのも存在している。なぜかといえばそう難しいことでもない。
この目の前にデンッ!と置いてあったりしている巨大な氷塊の破壊を担っているのだ。面倒があっても仕方がないというもの。
(それをするために我々はここにきているのだが。他の連中が情けないというよりはこれに対して一定のレベルが要求されるというだけなんだが)
剣で一気にこれらを叩いていって破砕をしている。だがこうも高火力の熱量で攻撃をおこなっても全てが壊れてはくれない。
その悔しさに歯を食いしばるゲイドである。この仕事を行っている者は他にも大勢いるのだが何故か砕け散ってもくれない。それに雑兵がワラワラと湧いて出てきているためにそれが煩わしくも感じる。
氷塊の表面からその身を削りだしてきて雑兵を生成しているために苦労なども絶えやしない。
「だというのにどうしてこいつはッ‼」
下方を覗いてみればこちらに顔を向けたエクスワイアに殴られて飛んだ碧い騎士の頭部分が胴体から少し離れた場所にあるのが確認できる。
そしてそれがまた面倒なことになっている。その頭がこちらも向いていることで不安があってしまう。
まぁ案の定というか目からビームとか撃ってきやがった。これは目なぞ見えてはずもないデザインなのに、バイザーの奥に仕舞われているはずなのに。
咄嗟に躱せたはしたが後ろに者にあたってしまった。それが同胞であったためにすごく申し訳なく感じる。
「痛っ」
もう石ころが掠っていったくらいの反応しか示していなかった。これでいいのかとも考えたがそういうもんかと強引に納得した。
そうでもなくてもこんな玩具を使って乗っている中で普通にやっていたらこのような痛みなど感じるはずもない。
であるならやることなどわかっている。
「遊んでないで真面目にやっていろって。これでぶっ壊れされるのが俺らになってもわかりはしないぞ」
『るっせえ。これでも頑張ってやっているっちゅうんに。こうも相手が強いと本気を出さにゃやっていられないって………………………………あぁあぁ‼』
そこで何かに気づいたように声を上げたと思ったら一気に火力を上げてこの氷塊をぶった切っていった。
それは先ほどまでとは比べても圧倒的な威力として感じられるものだった。それは全体からの割合で考えてしまってら大したものではないかもしれないがこれを一発ぶった切っての威力であれば………………………………………………だ。
勝てる確信が持てるものだ。
そしたら一本のエネルギー刃がこちらに飛んできていたのを確認する。それはエクスワイアがぶん投げてきたものであったか。
(危なっ⁉)
いきなりのことなので驚いて咄嗟のモノになり余裕のある行動が出来ずになった。
近くまできたそれを手元に引き寄せていくことをする。その際にガリガリと傷を受けてしまった。
掠り傷であるからこの程度で動かなくなるなどの支障は出ないはずだが。それでも腕に負担がかかってしまって………………………………………………引き千切れるかと思うくらいの勢いがかかったから不安である。
少し振ってみて問題なく動くのが分かったらもう気合を入れての行動が出来る。
一気に虚空を蹴り上げていって突撃していく。氷塊に脚をつけていって走り出していっていった。
その際に氷塊にエネルギー刃を突き刺していって引き裂いていくことをしていた。
ガリガリと音を立てているのが面白いくらいに笑えてくるものだ。
「あぁあぁあぁあぁあぁあぁ楽しいなぁ‼」
もうここまでくれば笑いが止まらない。だって面白いくらいに攻撃が通っていくんだもんなぁ。さっきまでとは大違いだ。
これだけの威力が出るのであればどうして最初からやらなかったんだろうなぁ。
「これだから面白いっていうものだよ戦場というものはねぇ‼」
ここまで来てしまえば歓喜の声を上げザロウ得ない。他の連中でさえ枷を取っ払ったかのように全力での作戦遂行へと切り替えていった。目的が達せられるのであれば文句ないとばかりに。
『楽しいなぁこれは!こうでなくちゃあ戦場にまで出てくる理由がないもんなぁ‼』
などと叫びだしてハンマーを取り出してきている者だっているのだが。まぁそれがポロロードであるのだが。
いつも彼にいっている、落ち着けと。暴れていっているばかりでは困るのだ。せめて理性的な行動を求めてもいいじゃないか。
とまぁそんな皆が一瞬で火力を増強どころか解放していって大暴れしたせいでこの浮いている巨大な氷塊が簡単に砕け散ってしまった。
「………………………………………………………………………………………………あっけないもんだなぁ」
ともゲイドが思わずつぶやくのも仕方のないことかもしれない。
だがそれよりも何よりもだ、もっと警戒しなければいけない存在がいるのを忘れてはいけないことがある。
「この怪物野郎を相手にしなければいけないのかよ。多数対一なんて慣れてないんだが」
足元へと振り向いてみればエクスワイアが押さえこんでいた碧い騎士が装甲を変色させて厚く太い腕をガタガタと揺らしてきていた。
これは明らかな脅威となっている。悪寒が止まずにいるのがまずおかしいのだ。どうしてこれだけの気配を隠し通していたのか。
『テメエら全員尻尾巻いて逃げろッ‼』
この場の指揮官からの逃走の指示が飛んできていた。生き残っての時間稼ぎとしての後に対する礎になるための闘争でもなくまさかの逃走だなんて。
指揮官なんていってもこの連中に置いては進むか止まるか下がるかのことしか指示しないのであるから今のこれは間違ってもないのだが。
その指示に、いやこれは命令だろうな。それに従っていって前を向いたままで後方へと走っていこうと後ろに足を持っていこうとする。
『逃がしてやると思うか。墜ちろ』
目の前にいる碧い騎士を中心にして周囲に重力場が形成されていっているのを確認することが出来る。この毒々しい見た目をしておいて重力系とは恐れ入ったが。
「これくらいなら問題ない」
少し気だるげに感じる気もしないでもないが行動に枷がかかる程度である訳でもない。
これならばと気概を見せていた様子であるゲイドを含めたその連中であった。
それをやすやすと予想できるエクスワイアであった。もうそういうものであるからして納得もしてしまうのはさらに勘弁してほしい気もするが。
この目の前にいる碧い騎士とも形容できるのか怪しい怪物の様相となってしまった奇怪な兵器をどうにかしなければならないだろう。
重力場の展開などしても何ができるかっていうところだろうに。こちらの足が重くなるわけでもないのに。
そしてこの考えがある意味正しい認識であることを今から理解させられた。
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