第二章 第二話 果ての傍からどこに?③

「なあ大佐さんよお。これから生き残れるのかなんて絶望的なことで相手のいない戦争をやることなんてってなにやってんすかいったい」

 アールアス連邦共和国アルテミス・ロイド大佐が紙に何かしらを書き込んでいる様子をみていてそれを気になってしまって思わず聞いてしまっていた副官であった。

「別に遺書だよ。どうせね、生き残れるか絶望的だあ。冗談じゃあねえよ、どうせ皆いなくなるんだ。それはこの一世紀で何度も思い知ったことだろう。これもあって宇宙移住が進んでいったはずだろうに」

 艦隊の司令を任せられたアルテミス・ロイドは艦橋のモニターに映る大穴をにらみつけている。

 大佐の身分で今回の立場に置かれた理由などわからない。そもそもこうして進攻の命令などどこから出てきたのかもはっきりとは分からない。

 新興に近い政治家によるものということだったがそれすら信じられない。その政治家とは命令を出された前後で対面をしたが君が悪いことこの上ないものだった。

 違和感がないのがもう違和感にしかならないという状態で現在でも頭を抱えることの一つである。

「それで多くの将兵を失うなんて馬鹿げているからな。ひとあてしたら全力で逃げるぞ」

 袋をまさぐってスナック菓子を取ろうとするが既に空だったことを思い出してもう袋を食らってしまおうとする。それを取り上げる副官だ。

「そうですね。大佐についている理由なんてそれくらいですからね」

「まったくですよ。あなたに率いられた部隊は生存の数も割合もたくさんだというのがウリなんですから。皆あなたの元で生きていたいというでいつもいつも争っているんですからね」

「なんだったっていうのか。あっ、目の前にいきなり現れてきたこれはどうしたもんですかねえ」

 ガラス面に映し出されるのは巨大な怪鳥が襲い掛かってくる衝撃か。

「全力で回避しろ‼」

 大佐が自ら舵を動かしていって地上に艦を近づけていっていた。だがこの一瞬では間に合うこともなくこの怪鳥の方が速かったか。

 咆哮を放っていって大きく揺さぶられる。地面へと墜ちてしまいしばらくは動けそうもないか。

「まさか旗艦が真っ先に墜とされるなんてふつうはありえないだろこれは」

「副官殿は嘆いていないでちょいと頑張ることをしてください」

 なんていう風に言われる副官はすぐに立ち上がってこの艦を立ち上げようとする。

「んんあ?何やってんだそれでいきなりドバアアアアッ‼と事態解決なんてするかよ」

 モニターには僚艦も同様に多くの怪鳥に襲われている現状が映し出されている。

 ただ簡単にやられるほど脆弱な軍隊ではなかった。艦に搭載された武装で次々と怪鳥を墜としていっていた。

 艦から多くの戦闘機が飛び出していっているのが確認できる。

 あぁそうだ。この旗艦含めて最新鋭の技術を詰め込んだものであったはずなんだ。何もできずに逃げ帰ってきましたなんて通じるはずもないか。

「………………あれ、大佐がいないか」

「それよりもリンリンを立ちあげていくことを先にしろ!大佐を信頼してるなら考えるよりも勝手な行動を心掛けろって。あ、浮いた」

 ハイリ・コウカ少佐がもう呑気な声を出して外が動いていることを確認する。怪鳥を次々と墜としていったことを観てもう張り切りだして席へとどさっと気合を入れることをする。

「じゃあ行きますか。ねえ!」

 砲を操作して正面に立ち塞がる怪鳥を排除する。そして速度を増して勢いつけて凄まじい速度で旗艦単独で突進していった。

 展開されたいくつもの翼を確認する。それがドでかく視界を覆ってきていた。

 旗艦ともなれば特に優秀か愛着があるものだろう。リンリンだって例外ではない。

「おっしゃ!そのまま主砲でどかしてしまえ!」

 自分で叫んで自分で引き金を引いたコウカだった。強大な威力で焼き払われた翼が地上へと墜ちてきていた。主砲がしばらく使えないことを除けば問題なんてないだろう。

「にしてもどうしてここで襲われなきゃいけないんだ。まだ30㎞は離れているはずだろ。どうしてこうなるんだよ!」

「知ったことか。監視ならもっと近くでやっていることとなっているはずなのにな。どうしてそれよりも離れた距離から襲われなきゃいけないのかがわからない」

 僚艦へと向かってきているのが少なく感じていたのだがどうやら気のせいではなかったらしい。

 旗艦が単独で飛び出していけば多くの個体がこちらへと向かってきているのがよくわかる。

 ロイドは現在、リンリンの上の載っていた。そこで巨大な機械兵士にへと乗り込んで飛んでくる怪鳥を墜としていた。

「君たち、動けるな。いまから送る作戦は既にほとんどが使えないが役に立たないであろうがその少しが大事になるものだ。多いに役に立てくれたまえ」

 などといって肌身離さずに持っていたデータを開封する。これでリンリンでなら誰でも見れるようにはなった。

(ただそも言語が違うからなあ。あれを読めるのはたぶんうちの可愛い副官くらいであろうかな)

「やれやれ、老兵なんて弾避けくらいにしかならないだろうに。こうして猪突猛進をするのは流行らないか」

『聞こえてますから!ふざけていないでちゃんと生き残ってくださいね!』

 などと副官の叫ぶ声が聞こえてきていた。そうか、まったくこうでもしないと生きていけないのはなあ。

「ではここからは飛行をするからしばらくは一人でいることになるので笑ってくれたほうがいいのだが」

『どの口がいってんですか。もう既に一人になっているのがいうセリフじゃあないですよ』

 笑みを浮かべスナック菓子の袋へと手を伸ばす。だがやはり空であった。

 ロウテイの翼を広げ飛行をおこなっていく。リンリンからもさらにさらに先行をしていく形となるが知ったことではない。………………いいや、こうでもしなければ己の主義に反するとばかりだ。

「嫌な予感というのはしてもしても足りないくらいだ。特に今回であればな」

 そもそも今回与えられた仕事というのがクレイ王の暴挙内部の占拠であったのだ。それができぬことだというのは誰もが知っていることである。もうこれは今を生きる子供たちにとっては御伽噺にとも感じているであろうくらいには口酸っぱく語られていることである。

 上空から勢いよく向かってくる相手に対しては実体剣を当てて少し向きを変えてしまう。これはこれは綺麗なまでに地面へとぶつかっていったがあまり動こうとはしていなかった。

 訝しげに思うがそれに近づくことをしない。観ないようにもした。あまりにも嫌な予感がする。危険があるなんていうものならば観ることすらやめるべきであろう。

 ただその予感というのは当たっていたらしい。爆発音が聞こえてきたためにそちらに目線を送ってみればすぐさま驚くべきことが起こった。

「あの鳥を落としてみれば爆発して一本武器を失うことになるなんて」

 突如として切りつけた剣が爆発したのだ。とっさに手放したから被害を少なく済ませることができたといえるかもしれないがでは他はどうなっていうのであろうか。

 彼の想像通りのことが起こっていることには変わりなかったか。



「主砲を撃ったらこっちにもダメージいってんのはどういうことだ。ミサイルなどの実弾兵器の方だったら傷は少ないみたいだけど。おい中佐殿!どうすんだよこれは」

「じゃあビームはできるだけ使うんじゃねえ。損耗の激しくなるような戦い方なんてするもんじゃない」

 艦の砲手が叫んでいるがこれをどうこうなどといえるものではない。なにせ旗艦が真っ先に地に伏せられたのだから。これでもすぐに動き出したところからエンジン部は無事であったようだから一応の安心はできるかもしれない。

「それにしてもあいつら、先に行きやがって」

「もしかして頭を先に叩こうなんてしてるのか。斬首作戦みたいなことやって成功すると思っているのか。それにあいつら頭がどこかなんてわかっているのか」

 通信担当が必死にこのあまりにも不毛な状況の中でくじけずに作業を続けている。

「通信状況が悪すぎる!それにどこからこんなコンピュータウイルスなんて手にに入れたのか」

 そうだ。このコンピュータウイルスは艦に噛みつかれた際に凄まじい勢いで流れ込んできたものだった。

 すぐさまその部位を切り離した為に軽傷で済んだともいえるがそれでも苦労はしている。何せ見たこともないような言語で書かれたものをコンピュータのものに翻訳したといわれれば納得してしまうような………………。

『勘がいいな。こういうのははやくにくたばってもらうのが吉というやつか』

 というような気色の悪い淡々とした声がフリア・テントウガに向けて飛んできていた。

 すぐさま周囲を見渡してみるがそこには特に変わり映えなどなく次々と有人機無人機問わず撃墜されていった光景が映し出されていた。

「おいどうした、仕事に集中できないならここから」

 その様子を咎める声が飛んでくるがそれを最後まで聞くことはできなかった。

 一瞬で砲撃が奥から放たれていった。それによってこの艦が灰すら残さずに掻き消えてしまっていた。

 それを傍から観ていたアフルは笑いが止まらずにいる。あぁもうこれでほどうにもならないか。呆れたばかりに戦場では涙が出てくる。あぁ現実味がなさすぎるよなあだったら全部殺してやるか。

 シンレンテのスラスターを動かして暴れさせていく。これだけ無茶な軌道をすればどうなるかなんて分からない。空中分解するかもしれないがそれでなってしまうならもう本望であるかもしれない。だけどそれで目的が達成されないのであればどうでもいいことか。

「何やってんだこいつはッ⁉………………なんていっても聴こえないか。我々も前進していくぞ」

「いいんですか。このままいっても生き残れるとは限らないですよ」

 操舵手にそんなことをいわれるが知ったことか。

「どうせうちのエースがやられたらうちらも終わりなんだ。ならば元気なうちにできるだけ派手な戦争をするもんだろって」

 キーボードを叩いて特定の画面を呼び出していく。ここにはレスティラから奪取した魔術が記載されている。だがこれを扱うすべなど知らなかった為に奪取した本人であるワイト・コーナンが持っていることを許されている状態だった。

 ただ奪取した際にわかったことがある。これは明らかに危険なものだ。素人が気軽に手を出していいものではない。これを使えば最悪の場合は自国を滅ぼすとも思えるものだ。なんの比喩でも場合を問わず発生するどこでもこの程度のリスクがある。

 失敗しれば自分に返ってくるというのであるためにレスティラでは比較的広く知られていて使用を禁じられているというものでもある。

「だからこれを使用するなんてことになったら一貫の終わりだなあ」

 であるために早速ですがこの魔術を試みていた。

 周辺の怪鳥に雷撃が放たれていく。だが簡単に落ちていたのであっけない終わりであったために恐怖を感じる。

 この少しの間によって何をやっているのかなんているであることか。気になることを自分で想像してみればいい。

 ほうら、空の上にはでっかい怪鳥が体重かけてのしかかってきていた。この怪鳥は雷撃を受けて黒焦げの焼き鳥になった。だがそれでも雷撃を放ってきた怪鳥。

「はッ?なんだこれ」

 すぐさまこのあいだに割り込んできて怪鳥を撃破したシンレンテ。

「どこの誰だ。いきなりきたら驚いてしまうだろ」

 艦長のワイトがかっこよくやってきた機械兵士へと文句をつけていた。

「うちの艦長にどうしてもといわれてな。こっちは余裕が出てきたからな。生き延びれたら礼くらいはいってほしいもんだなあ」

 なんていってあっという間に消え去ってしまった。怪鳥の爆発に巻き込まれてしまって殺されてしまったか。

「………………………………。すぐに飛び立てるようにしろ。負傷者の面倒も見てやれよ」

 ワイトは拳を握りしめて指示を出す。すると一気に浮上していって空高く飛行をしていた。

 怪鳥どもがこちらへと飛んでくるがそれすら振り切って大穴へと向かっていった。

「いっっけえええええええええええええ‼」

 拳を突き上げて大きく叫んでいるワイト。視界に映る奇怪な構造物が気になるところではあったがそれを無視してさらに速度を上げていって飛んでいた。

 決して見逃してはいけないものだというのにこれを放って置いてしまった。これがどれだけの危険になるか。そしてこれがこの戦場の各地に存在していることを知っていることなどいないであろうか。


『アガガガガガガ‼』

 うるさいなあ。帰ったら酒でも飲んで笑って過ごすこととしますかねえ。ああぁぁ目の前にいる敵を殲滅しなければ終わらないよなあ。だったらとっとと片付けてしまわないとなあ。

『ジャアイコウカネエ』

 そう喋るのは巨大な怪鳥の死骸であったはずのもので肉体を構築されたそれこそ巨大な怪人であったか。

『アァ全くだ。どうしてどうして。アァここはなあんか見覚えのある連中がいるな』

 そういって剣を無動作に振るう。剣が真っ直ぐに飛んでいきシンレンテを一機撃墜してみせた。

「な、なんだこいつは………………。いったいどこから現れたんだ」

「今更このような怪物を出してきて………………。だからこんなところには来るべきではないとっ⁉」

 空高く跳躍して頭を掴み地面へと叩きつけてしまう。中から悲鳴が上がるがそれに構わずに雷撃を放っていた。瞬く間に焼かれてしまいこのシンレンテが動くことはないだろう。パイロットが生きてはいない。

『どうして邪魔をするんだい。暇ならさあ、付き合ってくれよなあ。暇でないならその仕事を手伝うからさあ』

 壊れた電話かと思うほどの電子音声が響いていていた。それは

「こ、こいつ喋るのか。しかも口調に抑揚は………………。どうして」

 聞き覚えのあるものに近かったために戸惑いを見せてはいたが瞬時に気持ちを抑えて逃げていった。

 だがその怪物というのは視線をこちらへと向けているのが分かる。これはいったいどういうつもりなのか。まさかと思うが艦に戻った瞬間に打ち壊されるなんていうことになるのであろうか。

「………………………………。だったら見過ごせないというか絶対にやってはいけない行動だよなあ。ならば動くか戦うか」

 既にボロボロとなってしまっていた実体剣を引き抜いて斬りかかっていった。それを容易く防がれたことで驚きを隠せずにいる。防がれた事実にではない。この剣に対して見覚えのある太刀筋で受けられたからだ。

「………………………………。あぁそういうことか。こうしている間にも部下や同僚がやられていくのは悔しいと思っていたがそうも言ってられない。というよりそういうことのためには戦えないらしい。黄泉のその場所へと送ってやらねばいけないらしい」

 実体剣を愛用しているのをこれほど好ましく思ったことはないかもしれない。やっぱり自分にとってはこっちの方が好みだな。

「死者の冒涜なんて許しておけると思うかい。その身をさらけ出せそして馬鹿な夢を見せてみろ」

 剣を相手の胸へと向けて投げつける。

『あぁどうしてどうしてもしかして知っている方だったりしますか。それだったらな面倒な気がするなあ。いなくなってしまえばいいのにどうしてここにいるのか夢の楽園に何しに来たのあぁそうか羨ましいんだじゃあどいてそこ見えない』

 なんだこいつは。流暢にしゃべるようになったと思えばいっていることが理解でき

ない。もしかしたらこれは見えている世界が違うのかもしれない。

 世界の認識の差なんていっていたら何も成せないがだったらできそうなことを考えるか。

 弾かれた剣を受け止めて瞬時に砕いてしまう。その破片を相手に向けて蹴り飛ばしていった。

 一切聞いている様子がない。ならばと腰から巨大なハサミを取り出していた。

「これでどうにかできるなんて思わないさ」

 頸を狙って突進をしていった。いとも簡単に掴まったために訝し気に思いもしたが考えることはしない。

 ギイイイイイイィィィィという軋むような音を鳴らしてハサミをゆっくりと閉じていっていた。肉がひしゃげ弾けるのが感触として伝わってくるのが分かるがこの程度でくたばるようなら何もできないか。

 杭を刺してこの喉元に大穴を開けていった。だが頭を掴まれて地面に叩きつけられてしまいハサミを手放してしまった。

 思わず苦悶の声が上がるがすぐさま立ち上がって腕からビーム砲を放つ。だが牽制用のものでは大した威力などでないか。これには通常のビーム砲としての役割の

他に特殊なものをのっけていたるする。

『………………………………。綺麗な煙だなあ。でもこうしたっことをするってことは逃げられたってことかなあ。だとしたら面倒なのが減って嬉しく思うべきかなあ。それとも美味しそうなのを失って悔しいと思うべきかなあ。まあどっちだっていいや。どうせみいいんんないないんだから』

 その巨人は霧のようになって霧散してしまった。だが命からがらで艦へと逃げ帰ってきたレイア・ミードにはよくわかる。ここで勝手にくたばるほど優しくなんて易しくなんてないんだ。

「おい!何をボーっと突っ立ってんだ。降りて休んでくれ。そうしてくれないとこっちも仕事がしづらいんだよ」

 整備員から怒号が飛んでくるがなんていっているのかもう聞き取ることすら難しい状態だ。

 もはや惰性に近い形でコックピットを開けていく。そして倒れるようにして落下していった。ここは宇宙ではない。重力に任せて頭を打ってしまう。大気圏内ということもあってヘルメットなんてしていなかった。

「おいバカ⁉降りろとはいったが落ちろなんていってねえぞ!」

 そのように声がかかったためか自然な動きで床を転がっていってエネルギーを逃がしていった。これによって傷などは少なく済むこととなった。レイアにとってはあぁよかったなんて思うことはあってもなんかもうどうでもいい気がしてしまっていた。

「おい無事かッおいお前ら担架もってこい運ぶぞ」

「必要ありませんよ。自分で立てますから。直ったら部屋に呼び出し入れてくださいよろしくお願いいたします」

 スムーズな立ち上がりを見せて丁重に辞退する。そして両の脚を交互に引きずるような形で歩いていって宣告の通りに自室へと戻っていった。

「………………………………。いいんですかあんな状態で歩かせていって。絶対に怪我してますって」

「言い訳はないがどうせいうことなんて誰のだって聞いてくれないだろうからな。それに今回の作戦では多くの戦死者が出ているんだ。遂にうちらからも出てしまって。つらいのを隠しておける大人ではないんだよ。………………だから黙ってしてろって」

 乗って帰ってきたシンレンテを眺めて思わず唾棄すべきだと思ってしまったのはこの世の秘密である。

 



「くそったれめ。どうしてこうもキリがないんだ。相手がどうなってもいいのは心に負担がかかりにくくて助かっているけどさあ!」

 フリアは次々に襲ってこられる怪鳥の相手をおこなっていた。ただ時々感じる異常な強さの個体に関しては一瞬で方をつけるようにしてまともに取り合わないように努力している。だがそれでも気にはなってくるものだ。この怪鳥が武器を持ち出してきているのにはありえないと吐き出してしまいたいくらいだ。

 だがそれでも必死に無我夢中で戦闘を行なっていることで時間の感覚は少しづつぞれていくものか。

 確認をするたびにあっという間に長い時間が経ったかと思えば未だこれしかという風なこともあったりする。

「体内時計が合わないのは戦争をする上で一番あってはならないだろうとは思うがなただこれでも生き残れているんだから不思議なものだ。時計に、その他計器類に感謝か」

 ライオンの頭を背に生やした怪鳥が向かってきているのを確認してこればかりは変な笑いが出てくるのを我慢できなかった。呆れているのではない、恐怖とこの奥にあるものに対しての生理的嫌悪だ。

「冗談でもすまないだろこれは」

 メイスでぶったたいてみるが簡単にライオンの頭がつぶれた。これは拍子抜けだ。だから警戒をしてもう一発振り下ろす。その前に蒼く輝いていたが身体を割れていく前に地面へと叩きつけていった。

「なんだ実は簡単じゃないか」

 あぁ、自分にこう言わせておかなければやっていけない。相手が余りにも多すぎるか。いくら一発二発で沈んでくれるからといってずっとそれの相手をしなければいけないのは苦痛に違いない。

 その中で怪鳥の毛の一本一本が蛇のような姿をとっていた。うねうねとその長い首をこちらへと向けて襲い掛かってくる。

「―――――もうだめかよ⁉」

 白熱化させた大剣を振るって蛇を刈っていく。だがそれでも多くの個体が残っている。

「――――――――すうぅ」

 大きく息を吸ってその勢いで蛇を生やした個体を叩き落としていった。こんな簡単に墜ちてくれるならうれしいことこの上ないが未だに活動を停止していないことが下を覗いてみることでよおくわかる。

「どうしてこうも数が多いんだか」

 嘆いていてもしかたがない。救いがあるとすればどうせ生き残るつもりでいたことからエネルギーパックを持ち込んで積んでいたことか。これで長時間の戦闘が可能になっていることで非常に助かっている。

 悔しい思いをしていることといえばアールアス軍は実体剣の多用というのがよく目立つことであろうか。あいにくと武器を消耗品扱いするような連中にとっては弾がすぐになくなるか全身に幾つもくっつけて重たいこととなっているか。

 現在のフリアもそのような状況であった。ほら、目の前にはいくつもの気持ち悪いくらいの蛇がうじゃうじゃといるじゃないか。

 機体を破壊されて全身を貪られていくのだろうか。そのように考えていたフリアに想像していなかった光景が映る。

 視界いっぱいに映る蛇が一瞬にして消え去ったのだ。代わりに出てきたのは高出力のビーム砲か。いやそんな科学といえるものじゃあない。これはなんだろうか。

 疑問がいっぱいのフリアは操縦桿から手を離していた。砲撃をおこなったものはフリアのシンレンテに襲い掛かる者達を高出力のビームソードで切り裂いていった。

「よっと」

 簡単に抱えていってフリアを機体ごと後ろへと下げていった。

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