不安
夏休み明け、まだ浮かれ気分の抜けていない教室に向けて先生が言う。
「もう2年生も半分過ぎている。これからのことについて考えるのに速すぎるということはないからな。そういうわけで進路調査票を配るぞ」
回ってきた紙に書いてある文字列を追いかける。第一希望、第二希望、第三希望。いくつも希望があって羨ましい限りだ。もちろん、そういう意味の希望でないことは理解している。
「進路、か」
北村朱莉は考える。これから3人でいられる時間はあとどれほど残っているだろうかと。
「聞いたら答えてくれるかなぁ」
素直じゃない友人を持つと苦労するなと思いつつ、進路調査票は机の奥に押し込んだ。
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