第10話 アキラ女性から食事に誘われる
社長の斜め前に立っていた総括部長は事の成り行きに唖然として話を聞いていた。
「あとの事は私がまごころ銀行さんに出向いて挨拶しておくから分かったね」
そこまで社長に言われてアキラは、ただただ頭を下げるしかなかった。
「では山城くん話は決まった。そんな訳だから明日からも頑張ってくれよ。お嬢さんを途中までお送りしなさい」
それから総括部長とアキラと女性が社長室を出た。部長はバツが悪そうにしている。
アキラになんのお咎めが無いどころか、あれでは褒められて居るではないかと。
アキラと女性は西部警備本社をあとに歩道に出た。
池袋の駅前通りは相変わらず人並みでごった返していた。
アキラは控えめに「あ、あの~今日はわざわざ、ありがとうございます」
「嫌ですわ。お礼を言いに来たのは私の方ですよ」と彼女は微笑んだ。
「それより私、お腹すいたわ。ご一緒にお食事をしませんか」
「ハッ、ハイッでは ぼっ僕におごらせて下さい」
「えっ? 助けて頂いたのは私ですよ。ですから私が……」
なんと解雇覚悟で出社したのに解雇どころからお礼まで言われ食事する羽目になった。
つづく
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