展示-26
長四郎がみのりから殺人計画に加担した理由を聞きだしてから、1ヶ月が経とうとしていた。
そして、長四郎は普段の探偵業務を行っており、今も事務所で報告書を作成していた。
「ふぅ~」
最後の一文を入力し終えた長四郎は息を吐き、机に置いてあるマグカップを手に取り中に入っているコーヒーを飲む。
「よしっ」
最後のひと踏ん張りと言わんばかりに気合いを入れて、最後の作業にかかろうとした時、
事務所のドアが勢いよく開いた。
「ちょっと! この請求書は何よ!!」
燐はそう言いながら、長四郎から送られてきた請求書を突きつける。
「何って。この前の事件の請求書というか、拾捌話~弐拾話分の請求書だよ」
「だとしても、30万はぼったくりでしょ!!」
「ぼったくりって、一件につき10万。いつもはすんなり払ってくれるじゃない」
「それは・・・・・・」
燐は目を右往左往させる。
「ははぁ~ん。さては、探偵ごっこが親にバレたな」
「そ、そんな事ないし」
「いや、そんな事あるな。しょうがないなぁ~ 分割払いにしてあげるよ」
「そこは、タダにする所でしょ!!」
「え~」
「え~ じゃないし。マジでないわー」
「こっちのほうがないわー」
そんな発言をする長四郎を睨み付ける燐。
「怖っ!!」長四郎は身を縮こまらせる。
「ねぇ、なんか良い案ないの?」
「ないよ。これに懲りたら、事件に首を突っ込まないことだな」
「それは、嫌だ」燐は即答する。
「困ったな。ま、親にちゃんと事情を説明する事だな」
「その手があった。あんたが説明して。ということで、一緒に来て」
「来てって。どこに行くの?」
「成田空港」
「成田空港。もしかして」
「そう。私の親が帰ってくるから」
「嫌だよ」
ドンッ!!
燐の拳が机をアルミの机を凹ませる。
「わ、分かりました」
「宜しい」
長四郎はこうして成田空港へと向かう事になるのであった。
完
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます