展示-20

「兄ちゃん、分かったよ」

 亀津は未だに痴話喧嘩を続ける長四郎と燐に声を掛ける。

「ありがとう」長四郎は燐との痴話喧嘩を止め、亀津の方に体を傾ける。

「それで、結果だけどな。一部模造刀だったよ」

「やっぱり」

 燐は長四郎の推理が当たっていたので、感心した顔で長四郎を見る。

「どの刀が模造刀かを教えて」

「おう」

 亀津は長四郎の頼みを受け、模造刀の刀を教えてゆく。

「以上の刀が、模造刀だな」

「たまげたな。模造刀多すぎだろ」

 長四郎の言葉通り、展示されている刀の半分が模造刀とすり替えられていた。

「日本刀って、そんな高く売れう物なの?」

『売れるよ!!』

 男2人は声を揃えて、怒鳴り散らす。

「そ、そんな怒らなくても・・・・・・」

「全く、これだから刀の良さが分からない奴は」

 長四郎はやれやれだぜ。といった表情を見せ、亀津もまた長四郎と同じような表情で燐を見る。

「そんなことより! 事件の話にしようよ」

「あ、話逸らした」

「逸らしてないし。犯人に繋がる物が出た?」

「出てはないな」

「ダメじゃん」

「ダメじゃないよ。犯人は分かってんじゃない」

 長四郎は亀津を見る。

「な、なんだ。俺が犯人だと言うのか?」

「その通りだよ。爺さん、あんたが被害者を殺した犯人だ」

 いきなり、突拍子も来ない事を言われた亀津は啞然とする。

「只、爺さん一人じゃこの犯罪はなしえないよな」

「共犯が居るって事?」

「その通り。その共犯っていうのが・・・・・・」

 長四郎が向いた先に、一川警部と絢巡査長に連れられた共犯者が立っていた。

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