つれずれなるままにⅡ

越庭 風姿 人は得る。創作で。

売れるものを書くのか書く物が売れるのか

「売れるものを書くのか。書くものが売れるのか」

 これにはさまざまな意見があるだろう。

 人生観といってもいい。

 自分は、超マイペースな人間なので、自分が書きたいものを書く。

 人生観と照らしても、それが正しいはずである。

 大衆受けするものを書くと「こうあるべき」という制約が増えていく。

 これが伸びやかな表現を妨げる。

 おそらく、良い文章とされるモデルがあって、その型に近いものを良しとするのであろう。

 自分にとって、売れるとは「人に名前が売れる」に近い。

 ごく少数でもいいから、心から良かったと言ってくれるものを生み出したい。

 これはロマンチックな理想である。

 昔、自分が作ったものを、わざわざ遠くから見に来て下さった方や、医療施設から少ない外出時間を割いて見に来て下さった方がいた。

 そんなことが、大事だと思う。

 最終的には売れれば良いが、それを目的にすると作品の生命が失われる気がする。

 誰かに読んでもらいたい、と思う一方で、自分が満足しなくてはならない。

 お金の問題ではない部分と、稼がなくてはいけないという現実もある。

 そのはざまで折り合いをつけるのが作家のあり方であろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る