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聞き覚えのある音楽が劇場内を駆け巡る。
「これが、桜川中学校の校歌か。一度、歌ってみたかったんだよね」
「最期って…、最期って何だよ!」
菖蒲が何か言っていたが、構わず僕は叫ぶ。
「まだ、まだ終わってない!
だって、君の卒業証書が、まだ学校に残ってるんだ!」
僕が幾ら喚いても、菖蒲は、ただ笑いながら首を振るだけ。
「病院から、連絡来たんだろう?
君なら、今の状況が何を意味するのか、分かってるはずだよ」
ー花咲さんの容態が急変して、意識がー
「そんなの、分からないよ!
卒業証書受け取るまで、式は終わらないんだろ。だったら…」
そこで僕は、自分の体から、淡い光が発せられている事に気付いた。
「もう、時間だよ。紫苑」
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