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「…ごめんね、紫苑」


そう言った菖蒲の声は、少し、震えている。


僕は、菖蒲の方を向けなかった。


「ずっと、病室に来てくれてたでしょ。

約束、何も守れなかった上に、君の大事な学校生活を、棒に振らせてしまった」


「違う!それは…」


ー君は、何も悪くない。


そう言おうと、振り向いた視線の先で、


「だから、良かった」


彼女は、涙を流して、笑っていた。


「最期に、紫苑と卒業式を終える事が出来て」

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