ミアラッハのお菓子、最近たべてない!!
鑑定師のもとには十の迷宮品が並べられていた。
ゴクリ、と喉を鳴らす鑑定師。
酒瓶、羽根ペン、水袋、ウェストポーチ、手の平サイズの木馬、無色透明の液体の入った小瓶、指輪、白タイツ、トランプ、黒い革製の手袋。
順番に行こう。
酒瓶から。
これは迷宮産の高級酒だ。
特に魔法的な効果はないらしいのだが、迷宮産の酒は美味で知られている。
コレクターもいるらしいとのことで、金貨3枚になった。
次は羽根ペン。
インクいらずの羽根ペンは、比較的ポピュラーなマジックアイテムらしい。
ただしインクの色が赤なのは希少で、金貨1枚になるとのこと。
次は水袋。
中身がなくならない水袋だ。
逆さに振っても水は出てこないが、飲み口に直接、口をつけると水が出てくるとのこと。
私には〈クリエイトウォーター〉があるのだが、ミアラッハにはないので、彼女用の水袋にしようと思い確保。
次はウェストポーチだ。
これもよくあるマジックバッグで、見た目以上に物が入るスグレモノである。
ミアラッハにちょうどいいので、これも確保。
マジックバッグは希少なのでかなりの高値で売れるらしい、と案に売却しないか、と持ちかけられたが断固として拒否した。
次は手の平サイズの木馬。
これは魔力を注ぐことで、馬になる魔法の品だそうだ。
シリーズがいくつかあるらしく、高値で取引されているとのこと。
私には〈クリエイトゴーレム〉があるが、ミアラッハの移動手段に欲しい。
これも確保した。
次は無色透明の液体の入った小瓶だ。
これは以前にも入手したことのある妖精の酒である。
当面、錬成する品はなさそうなので、売却することにした。
酒としても飲めるらしく、意外な高値がついて金貨20枚。
次は指輪。
石もついていない金色のリングだが、どうやら魔力を注ぐと〈プロテクション〉の盾が出現するというものらしい。
持ち運びに邪魔にならないので、ミアラッハ用に確保することにした。
次は白タイツだ。
単純に防御力が上がる防具らしい。
薄手で動きを妨げない点で優秀だが、お値段はそれほどでもなかった。
ミアラッハの防具にちょうどいいので、確保確保。
次はトランプ。
一枚一枚に美しい女性のヌードが描かれている下品な品、というのは私見だ。
美術品として扱われるため、コレクターがいるらしく、金貨5枚になるという。
飲んで終わりになる酒瓶より高値がつくとは思わなかった。
最後に黒い革製の手袋だ。
これははめると素手として扱われる特殊な武器らしい。
素手の攻撃力を上げ、手を保護する役割もある。
だが素手で戦う者はほとんどいないためか、意外と安値がついた。
私用にちょうどいいので、確保しておく。
ミアラッハ用のマジックアイテムが多いことに、「こんなにもらっていいの?」と言われたが、いいのだ。
私も黒手袋もらうしね。
《名前 クライニア・イスエンド
種族 人間 年齢 15 性別 女
クラス ルーンナイト レベル 22
スキル 【日本語】【レクタリス地方語】【算術】【礼儀作法】【宮廷語】
【全属性魔法】【闘気法】【錬金術】【魔法付与】【鍛冶】【剣技】
【剣術】【槍技】【槍術】【魔力制御】【魔法範囲拡大】【素手格闘】
【気配察知】【罠感知】【罠設置】【鎧貫き】【魔力自動回復】
【同時発動】【消費魔力軽減】【怪力】【俊足】【創世神信仰】
【?】【経験値20倍】【熟練度20倍】【転職】》
ルーンナイトがレベル20を突破した。
さて新しいスキルは?
グルグルと文字が回転して……【魔法武器化】に決まった。
これは〈アイスセイバー〉や〈シャイニングセイバー〉などの魔法を武器として手に持てるようになるというスキルである。
役に立つかどうかは分からない。
評価は未知数である。
《【転職】
ルーンナイト(レベル22)
ノーブル(レベル10)
ファイター(レベル24)
スカウト(レベル33)
フェンサー(レベル29)
ランサー(レベル1)
グラップラー(レベル31)
プリースト(レベル20)
メイジ(レベル22)
ブラックスミス(レベル10)
アルケミスト(レベル26)
マーチャント(レベル1)
メイド(レベル1)
ウォーロード(レベル1)
チャンピオン(レベル1)
アサシン(レベル21)
ビショップ(レベル1)
ウィザード(レベル22)
パペットマンサー(レベル1)
パラディン(レベル1)
モンク(レベル1)
セージ(レベル1)
ハーミット(レベル1)》
魔法ばかり撃っているから、次はセージかな。
賢者という意味だから間違いではないはず。
クラスの補正としては、移動しないで撃つ魔法の効果が上昇するというもの。
基本的に立ち止まって〈マジックアロー〉をしているので、恩恵がある。
レベル20になったときに得られるスキルもきっと魔法系なはずなので、期待できそうだ。
さて、明日は休日にする。
私は鍛冶に行くけれど、ミアラッハは休日をどう過ごしているのだろうか。
「え? ああ、私は製菓の修行をしているよ。宿の空いている時間に厨房を使わせてもらってる」
なんと。
でも私、ミアラッハのお菓子、最近たべてない!!
「……だってクライニア、夕方ギリギリまで鍛冶をして帰ってくるのだもの。そんな時間にお菓子を食べたら夕食が食べられないじゃない」
「食後のデザートに取っておくとか」
「ああ、それはいいかもね。じゃあ明日はデザート用に取っておくことにしよう」
ちなみに今までのお菓子は宿の女将さんや従業員、常連で消費されていたとのこと。
羨ましいなあ。
ミアラッハの製菓の腕前はかなりのものなので、彼女謹製のお菓子を食べそこねたのは悔しい。
明日のデザートに期待が高まるぞ!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます